90°回転形2線式ポジショントランスミッタ(形式:VOS2-R)の機能と特長


(株)エム・システム技研 開発部 主任技師


 はじめに

 このたび、エム・システム技研では、新形の90°回転形2線式ポジショントランスミッタ(形式:VOS2-R、以下VOS2-Rと呼ぶ)を開発しました。以下、その機能と特長をご紹介します。

 1.動作原理

 VOS2-Rでは、角度検出機構としてエム・システム技研の角度センサ、インダクポットを採用しています。インダクポットの動作原理については、本誌1995年9月号に記載されていますが、ここでも、再度簡単にご紹介します。なお、詳細については同号の10~13ページをご参照ください。
 交流磁界の中にコイルを置くと、コイルに交流起電力が発生し、その起電力は、コイルの断面を横切る磁束の数に比例します。平行磁界の場合は、コイルの回転角度ではなく、その正弦に比例した出力になりますが、インダクポットは、コイルの回転角度に比例した交流起電力が発生するように、磁界の形状を変形させています。この交流起電力を整流器を経て取り出すと、回転角度に応じた直流電圧が得られます。
 VOS2-Rは、このような原理で得られた直流電圧信号を、2線式発信回路を使い、電流信号に変換して発信しています。

 2.内部構成とその機能

 VOS2-Rのブロック図を図2に示します。VOS2-Rは、大きく分けて、励磁側コイルと入力軸に直結された回転側(2次側)コイルで構成される機構部、発振回路と整流回路で構成されるセンサ回路部、電源発生回路と増幅並びに出力回路で構成される2線式発信回路部の3ブロックで構成されています。各ブロックの動作を以下順を追って説明します。
 2線式発信回路部の電源回路はセンサ用電源を発生し、センサ回路部に供給します。センサ回路部では、発振回路で発生した交流電圧を励磁側コイルに供給します。交流電圧を印加された励磁側コイルは、交流磁界を発生させ、それによって2次側コイルに交流起電力が発生します。発生した交流起電力は、正逆切換回路を経て、センサ回路部の整流回路において直流電圧信号に変換されます。2線式発信回路部の増幅回路で、この直流電圧信号は増幅され、出力回路で4~20mAの直流電流信号に変換され、出力信号として発信されます。

 3.特長

 VOS2-Rの主な仕様を表1に示します。

     








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