以下、VOS2-Rの特長を、従来機種と比較しながら説明します。
 第1の特長は、精度の大幅アップです。従来機種では、回転運動をカム機構にて直線運動に変換し、それを作動トランスを使って検出していました。しかしVOS2-Rでは、動作原理でも説明したように、コイルの回転角度を直接読みとる方式ですから、カム機構をなくすことができました。いわば「ダイレクトインプット方式」を採用したため、直線性が大幅に向上し、非直線性が1/2以下になりました。
 第2の特長は、小形軽量化です。前述のようにカム機構を除去することにより、外形寸法を小形化するとともに、重量も約30%削減しました。
 その他、従来機種になかった次の特長があります。
 第1として、多彩な取付方法が可能になりました。基本は、壁取付とパネル取付の2種類ですが、壁取付の場合、壁面に対して、回転軸が垂直な場合と平行な場合の2通りが可能です。さらに、壁面と回転軸が平行な場合は、90°ごとの4方向のいずれが壁面であっても取り付けられるよう、きょう体の取付面をお客様で設定できるようになりました。また、壁取付用のブラケットもオプションにて用意しました。このブラケットは垂直取付と平行取付の両方に共通です。パネル取付では、回転軸がパネルに垂直となります。
 第2として、入力軸を左右いずれかの方向へ自己復帰させるためのリターンスプリングをオプションにて用意しました。リターンスプリングを用いることによって、簡易な測定でよい場合は、入力軸と測定対象を接続するためのリンク機構を省略または簡略化できるようになります。リターン方向は、右方向と左方向のどちらかを選択します。
 その他、寸法などは、従来機種を可能な限り継承しました。
 きょう体寸法は、小形化されたため、引継ぐことはできませんが、レバーやリンクセットなど、従来のリンク関係部品は、そのまま使用可能です。たとえば、エム・システム技研のリンクセット(形式:VOLK)を用いてコントロールバルブに取付けられた従来機種を、VOS2-Rに交換する場合は、バルブへの取付ブラケットは新たに用意していただく必要がありますが、リンクセットやレバーはそのまま使用可能です。
 また、インダクポット(形式:NRA)とインダクポット変換器(形式:PNSまたはPNT)の組合せでは、正作動(入力軸右回転で出力信号増大)か逆作動(入力軸右回転で出力信号減少)かは、お客様では設定できず、あらかじめご指定いただく必要がありました。しかし、VOS2-Rでは、ジャンパピンの差替えによる、お客様での設定が可能です。
 インダクポット単体とインダクポット変換器の組合せでは、それぞれが防滴構造ではないため、屋外では使用はできませんが、VOS2-Rは、防滴構造のきょう体であり、屋外でも問題なく使用できます。

 おわりに

 今回開発したVOS2-Rは、本文中でも述べたように、回転形ですが、従来機種には直線形もあります。この場合も同様にカム機構を用いています。これに対し、VOS2-Rと同様に「ダイレクトインプット」方式の直線形ポジション発信器(仮称:VOS2)も開発を予定しています。どうぞ、ご期待ください。

     





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