避雷器の放電耐量5000Aへ機能向上


(株)エム・システム技研 開発部 副部長


 はじめに

 エム・レスタは、多数の雷サージによって破壊された電子式計装機器を、エム・システム技研が独自に分析、検討し、さらに最新の技術を駆使して完成した避雷器です。日本はもとより諸外国の水道施設や工場で活用され、その確実な保護効果は高く評価されています。
 電子式計装機器は高度な機能をもつ反面、雷による誘導サージにもろい一面をもっています。エム・レスタは、そのもろい面をカバーし、より高度な計装を可能にしました。
 エム・レスタは、発売を開始してから23年になります。年々出荷台数は増え続け現在の年間出荷台数は4万台を超え、累積出荷台数は約70万台にも達しています。これは、エム・レスタがユーザーの皆様に広く受け入れられ、その有効性を認めていただけた結果と深く感謝しています。
 さて、このたび長年にわたりご使用いただいておりますエム・レスタのうち、信号用避雷器のほとんどの製品(表1参照)の放電耐量を1000Aから5000Aに性能アップしましたのでその内容についてご紹介します。

 1.放電耐量

 放電耐量とは避雷器の性能を示す要素の1つで、避雷器に実質上の障害を起こすことなく流し得る最大のサージ電流をいいます。エム・システム技研では、図2のような波形のサージ電流を印加した後の諸特性が所定の範囲内である最大のサージ電流値を指しています。
 では、5000Aの雷サージはどれくらいの頻度で発生するのでしょうか。電気学会発行の避雷器に関する規格(JEC-203)によりますと、日本における発変電所の避雷器放電電流の記録による統計から、放電電流の大きさは地域その他で差はありますが、避雷器1台当たり1000A以上は約20年に1回、2000A以上は約50年に1回、3000A以上は約100年に1回の割合となっています。また、アメリカの統計でも、5000A以上は全体の5%となっています。
 これらのことから避雷器の放電耐量は5000Aあればほぼ十分と言えます。

 2.5000Aへの改良

 避雷器の放電耐量を5000Aに

     













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