異種シーケンサ間の通訳

 シーケンサのユーザーは、自社の工場で使用するシーケンサの機種を統一するように努めていますが、なかなか思うように行かないのが現実です。製造装置の標準設計品として組み込むシーケンサの機種を、ユーザーの都合によって別の機種に変更することを、装置メーカーは好みません。複雑な制御機能を実現しているシーケンサを指定機種に置き換えるには、実際問題として大きな費用がかかるからです。
 一方、1つの工場に複数のメーカーのシーケンサが設置されている状態で、装置間の連携制御や装置群の群管理を実施しようとすれば大変な労力が必要になります。
 エム・システム技研では、ネットワーク計装部品MsysNetシステムをご提供することにより、異種シーケンサ間の通信を容易にし、この問題を解決しました。

 PLCインタフェース SMDL

 MsysNetシステムでは構成部品の1つとしてPLCインタフェース(形式:SMDL、価格15万円)を用意しています。PLCインタフェースは、各社のPLC(シーケンサ)とMsysNetの専用バスであるNestBusを接続するゲートウェイです。
 各社のシーケンサのプロセスI/O信号は、PLCインタフェースを介して、共通の言語に変換され、NestBus上で伝送されます。この仕組みにより、異種シーケンサ間の通訳を実現しています。

 PLCインタフェースの機能

 PLCインタフェースと各社のシーケンサの間は、RS-232-Cで接続します。1台のPLCインタフェースで送受信できるI/O点数は、次にあげるとおりです。
 ●すべてが接点信号のとき:512点
 ●すべてがアナログ信号のとき:32点
 ●接点とアナログ混在のとき:アナログ2点=接点32点で換算
 たとえばアナログ信号を30点にして2点減らせばその代わりに接点信号を32点使用できます。

 PLCプログラム方法

 PLCインタフェースには、設定部分はありません。入出力信号の割付は、シーケンサの上位リンクエリアに、エム・システム技研規定の手順でプログラムします。
 PLCインタフェースとシーケンサ間で通信できる信号は、アナログ入出力信号と接点入出力信号だけです。パルス信号は、積算値に変えてアナログ信号のフォーマットで通信します。

 PLCインタフェースのアプリケーション

 装置間の信号の受け渡し

 加工品を1つの装置から次の工程の装置に移送するとき、装置間で信号の受け渡しが必要になります。このとき、各装置でシーケンサのメーカーが異なる場合、今までは信号の受け渡しはフィールド信号(アナログ/接点信号)の形で行わなねばなりませんでした。
 しかし、MsysNetシステムのPLCインタフェースを使用すれば、NestBus経由で信号の受け渡しができ、入出力ユニットと装置間の配線が大幅に省略できます。

 データのロギング

 図1のようにシーケンサにPLCインタフェース(形式:SMDL)を接続し、オペレータズユニット(形式:OPU、価格110万円)と組み合わせると、簡単にデータロガーが実現できます。
 オペレータズユニットには、データ収集機能、作表機能(Lotus1-2-3)、グラフィック表示機能がパッケージ化されています。したがって、ユーザー自身がシステムを構築できます。システム構築時に不明点があれば、エム・システム技研の電話サポートや同じくエム・システム技研内での技術指導を無料で受けられます。
 また、システム構築をシステムインテグレータに発注する場合でも、C言語でプログラムを開発する場合に比べて大幅にコストダウンができます。

 異種シーケンサ群の統括制御

 PLCインタフェースとオペレータズユニットを組み合わせると、装置群の統括制御ができます。たとえば、オペレータズユニットに組み込まれているグラフィック機能によりCRT画面から装置群の起動停止を行うなど群管理が実現できます。

     
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