電力遠制ロガー(2) (株)エム・システム技研 開発部 主任技師 前回は、電力遠制ロガーを構成するうえで欠くことができない電力マルチメータ(形式:51U、図1)について説明しました。今回は、電力遠制ロガーの構成例およびこのシステムによって実現できる機能について説明します。 図2に、1回線受電の場合の電力遠制ロガーの構成例を示します。各系統のVT、CTには電力マルチメータを接続し、メータ間はマルチメータ・プロトコル(RS-485)で接続されます。各メータで計測した電力諸量のデータは通信レベル変換器(形式:LK1)と通信インタフェース(形式:SMDU)を使うことによりNestBusを経由してオペレータズユニット(形式:OPU)に送られ、ここでデータ処理されます。また、テレメータインタフェース(形式:SMDT)を使用すれば受電設備から遠く離れた場所にもオペレータズユニットを設置することができます。 2.ロガーとしての機能 電力マルチメータから送られたデータについて、オペレータズユニット内の表計算ソフトによってスケール変換や分類、また分布、トレンドの表示や部門別電力料金計算などを行って、容易に受電設備を管理することができます。図3にCRT表示の例を示します。また、オペレータズユニットはパソコンであり、必ず時計を内蔵しています。したがって、日報、月報、また警報時などの管理用データが簡単に得られます。データロガーでは、管理データをプリントアウトするときのフォーマットが問題になります。しかし、NestBusを応用したロガーでは、表計算ソフトにより印字フォーマットを自由に設定・変更できますから、設備納入後の用紙変更などにも容易に対応可能です。また、前回紹介したように零相電圧の計測が可能であり、日常の電力機器の絶縁状態も監視できます。 3.制御機能 MsysNetでは、Di、Do、Ai、Aoなどを組み合わせて制御できますから、電力管理の関係でもほとんどすべての制御が可能です。 (1)力率制御 力率監視制御では、力率の変化に応じた力率改善コンデンサの入切(挿入、切断)を自動化することが容易です。とくに同じ容量のコンデンサを入切する場合には、シーケンス機能によりサイクリック制御を行うと共に遮断機の投入回数をカウントすれば、複数の遮断機の投入回数を均一化する制御も可能であり、遮断機の寿命を管理して均一化することもできます。 (2)デマンド制御 デマンド電流を計測していればデマンド制御も可能です。一般的には、デマンド警報設定値に対する出力が発生すると、人または専 |
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