る“MsysNetシステム”の導入を決定した。パソコンとオペレータズユニットを図1に示す。
 また、経費もできるだけ安価にする目的もあったため、メーカーの請負工事による導入ではなく、機種選定から設計、施工まで構築作業の全てを職員が行うものとし、職員レベルで構築が可能な機種である必要があった。

2.システムの概要

 ●ハードウェア

 監視制御盤で収集されているプロセスデータ信号をブランチし、アイソレータで絶縁後、リモートI/Oユニットを介し、データバスを経由してパソコンで監視操作を行うものである。また、演算および制御機能はコントロールユニットで実行している。
 システム構成を図2に示す。
 監視操作のバックアップとしては、既存の監視制御盤の機能をそのまま残し、本システムとの並列使用することで万一の故障時に備えている。ユニット収納盤を図3に示す。

 ●ソフトウェア

 CRTオペレーション用ソフトウェアは、監視操作ソフト、データ収集ソフトおよび帳票出力用表計算ソフトで構成し、マルチタスクOS(OS/2)で処理している。
 なお、帳票出力は表計算ソフトからDDE機能を使い、データ収集ソフトからプロセスデータを転送し、マクロ命令で印字出力している。また、パソコンはOS/2が動作するDOS/V機を使用している。グラフィック画面図4、帳票図5参照。

3.システム構築作業

 システム構築作業は、構想の段階からプロジェクトチームを発足し、予算要求、機器購入、システム設計、機器据付および配線、ソフトウェア構築作業を4名体制で行った。
 メンバーは各自日常の業務を行いながらシステム構築にあたったため、完成まで17か月を要したが、システム構築におけるすべての作業を浄水場の職員が行うことにより、浄水場の設備やデジタル計装、およびパソコンの技術習得を促進するというメリットも生まれた。

おわりに

 職員が自ら監視制御システムを構築するという本市では、過去に例のない試みを実行するにあたり、多くの方々に多大なご理解とご協力をいただき目標を達成することができた。
 現在、監視制御設備の70%程度が本システムに移行し順調に稼動している。
 これからもシステムの増強をはかり、ソフトを洗練させ、より信頼性のある使いやすいシステムを目指し改良を続けていく所存である。

     
図3 
ユニット収納盤




図4 
グラフィック画面




図5 帳票
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