アイソレータ アラカルト (株)エム・システム技研 開発部 はじめに エム・システム技研が日本で初めての計装用プラグイン形変換器「M・UNIT」シリーズを発売してから、すでに24年になります。おかげさまで、今日では年間25万台の変換器を世界中に出荷するまでに至りました。これは、ひとえにユーザー各位のご愛顧の賜と深く感謝しております。 さて、これらの変換器の内容を見ますと、アイソレータの機能をもった変換器が全体の8割を占めています。そこで今回は、エム・システム技研のアイソレータに対象を絞ってご紹介いたします。 1.アイソレータとは アイソレータとは、信号を発信する計器と受信する計器の間に挿入して、電気信号を直流的に絶縁するユニットです。アイソレータで信号線を絶縁することにより、現場の環境に起因する各種のトラブルから、計器室の制御用機器を直流電位的に切り離します。したがって、現場で発生したトラブルの影響を最小限に抑えることができます。また、アイソレータを挿入することによって、発信器と受信器はそれぞれ独自にアース点を選ぶことができ、それぞれの計器にとって最適な点で別個にアースしても、2点アースにならず、安定した計器動作が確保されます。 エム・システム技研では、このアイソレーションという単一の機能に各種の信号変換の機能を加えることによって、次に挙げるような様々なアイソレータを用意しています。 2.アイソレータの種類 ●アイソレータ 入力DC1~5VまたはDC4~20mA、出力DC1~5VまたはDC4~20mAに機能を限定することによって、低価格を追求、実現したアイソレータです( 例:YV)。 ●直流入力変換器 -3 mV~300Vの直流電圧入力、または10μA~50mAの直流電流入力と、-10~12Vの直流電圧出力、または0~20mAの直流電流出力など、様々な入出力信号に対応できる変換器です。入出力の応答時間は標準で0.5sですが、ほかに25msの製品も用意しています。この機種はエム・システム技研製変換器(アイソレータ)のベストセラーになっています(例:SV)。 ●交流入力変換器 50mVから250Vまでの交流電圧、または1mAから1Aまでの交流電流が入力できる変換器です(例:AC)。 ●2出力形変換器 出力を2つもつアイソレータです。 既設の設備を使い、新たにコンピュータなどで集中監視を行う際、一方の信号を従来の設備に使用し、もう一方をコンピュータへの信号として使用するのが代表的な応用例です(例:WVS)。 ●センサ入力変換器 熱電対や測温抵抗体などの温度センサ、あるいはポテンショメータなど、各種のセンサを直接入力として接続できる変換器です(例:TCS、RBS、PMS)。 ●特性変換器 入力と出力の関係に、ある一定の特性を持たせた変換器です。特性によって、等速応答変換器、一時遅れ変換器、ピークホルダ、リニアライザなどがあります(例:CRS、CDS、PHS、JFX)。 ●超高速アイソレータ プラントの解析や特殊な制御で |
![]() 図1 アイソレータ(形式:YV) |