温度変換器アラカルト


(株)エム・システム技研 開発部


 はじめに

 エム・システム技研は、日本における信号変換器のトップメーカーとして、年間30万台におよぶ変換器を世界中に出荷しています。その中で温度変換器は、熱電対を入力センサとするカップル変換器が約2万台、測温抵抗体変換器が約4万台、合わせて約6万台を占めています。そこで今回は、エム・システム技研の温度変換器に焦点を当ててご紹介します。

1.温度センサの種類

 工業的に温度を測定するセンサとしては、熱電対と測温抵抗体がもっともよく使用されます。熱電対は2種類の金属を接合したセンサで、高温側と低温側の温度差に応じて熱起電力が発生するというゼーベック効果を利用したものです。接合する金属の種類により、表1に示すように8種類の熱電対がJISで規格化されています。
 エム・システム技研では熱電対を入力とする温度変換器として、カップル変換器(形式:JT、TCSなど)をご用意しています。
 測温抵抗体は、導体の電気抵抗値が温度によって変化する性質を利用したセンサで、JISには白金測温抵抗体(Pt100)だけが規格化されています(表2)。
 エム・システム技研では測温抵抗体を入力とする温度変換器として、測温抵抗体変換器(形式:JR、RBSなど)をご用意しています。また、JISにない特殊な熱電対や、測温抵抗体用の変換器も製作しています。

2.温度変換器に必要な機能

 ●冷接点補償

 熱電対は高温側と低温側の温度差による起電力を測定しています。より正確に言えば、高温側の温度と低温側の温度に対応する2つの熱起電力の差に相当する電圧を測定します。そこで、低温側すなわち変換器の端子の温度を測定してその温度の分だけ上記の電圧を補正する必要があります。これを冷接点補償と呼びます。エム・システム技研のスペックソフト形カップル変換器(形式:JT)では、半導体温度センサで端子温度を測定し、熱電対の種類ごとに電圧を補正して加算することにより、冷接点補償精度0.5℃以内を実現しています。

 ●リニアライザ  熱電対が発生する熱起電力や測温抵抗体の抵抗値は、温度に対して直線的に変化しません。そこで、これを補正するわけですが、その







     






























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