ことをリニアライズと言います。リニアライズの方法にはアナログ方式とデジタル方式があり、アナログ方式では、入力をいくつかの区間に分けて、その区間内を直線として近似します。この方式を折線近似方式と言い、エム・システム技研では、7折線(一部5折線)を使用しています。
 この折れ曲がり点の間隔は、曲がりがきついところは密に、ゆるいところは荒くした方が測定誤差を少なくできます。エム・システム技研では、コンピュータを使用して誤差が最少になる間隔を熱電対の種類や測定温度範囲に応じて求めています。
 デジタル方式では、マイコン内蔵の変換器を用いて、10℃毎の値を熱電対や測温抵抗体の種類毎にテーブルの形で内部に記憶しておき、10℃の間はアナログ方式と同じように直線で近似して求めています。たとえば、1000℃を測定範囲とすれば、アナログ方式での100折れ線に相当することになります。この方式の場合、エム・システム技研のスペックソフト形変換器JXシリーズでは、リニアライズ精度±0.05%以内を実現しています。

 ●バーンアウト検出

 熱電対や測温抵抗体については、一般に高温で使用するため、酸化などの原因により焼損(バーンアウト)することが考えられます。温度制御を行っているシステムでセンサが断線すると、非常に危険な状態が発生します。
 バーンアウト検出機能がない場合に、変換器の出力がゼロの方向へ落ちてしまうとコントローラは設定温度より温度が下がったと解釈し、温度を上げる方向(燃料を増やす方向)に出力を出します。すると温度がますます上がり、ついには溶融、破断を生ずる危険な状態になってしまいます。そこでセンサが断線したら出力を100%以上に振り切れるようにすると、コントローラは設定値より温度が上がったと解釈し温度を下げる方向に働き、システムは安全サイドに動作することになります。熱電対が断線したときに、出力が上方か下方のどちらへ振り切れたら安全かはシステムによっても異なりますから、カップル変換器や測温抵抗体変換器ではどちらの仕様でも製作可能にしています。

 ●導線抵抗値補償

 測温抵抗体変換器は、測温抵抗体に定電流を流し温度変化に対する抵抗値の変化を電圧の変化として測定しているため、センサと変換器の間の配線の抵抗値が大きかったり、周囲温度で変化したりすると測定値に影響が出ます。エム・システム技研の測温抵抗体変換器(形式:RBS)では、アクティブブリッジ回路により導線抵抗の影響をキャンセルしていますから、200Ω以内であれば導線抵抗値の影響を無視することができます。

 ●サーミスタ

 エム・システム技研ではサーミスタを入力とする温度変換器をとくにご用意していませんが、お客様のご希望に応じて、マイコン搭載のポテンショメータ変換器の特殊仕様品として製作しています。サーミスタは温度によって抵抗値が変化することを利用したセンサですが、一般に温度の変化に対する出力変化が測温抵抗体とは逆方向(温度が上がると抵抗値が下がる)のため、リニアライザ機能によって特性を逆にします。つまり抵抗値が下がると出力を大きくするように動作させます。また、バーンアウト機能については、サーミスタがオープンになると出力は温度が下がる方向へ行くため、上方のバーンアウトが必要なときはリニアライザを用いて、測定温度範囲より十分大きな抵抗値になると出力を100%より大きくします。

 おわりに

 エム・システム技研の温度変換器は、形状や取付方法・電源の種類・警報出力や表示の有無など、その形式を数え上げると100機種を超えます。したがって、この限られた紙面では、十分詳しくはご紹介できません。
 さらに詳しい資料を必要とされる方は、エム・システム技研またはエム・システム技研代理店までご請求ください。また、エム・システム技研の温度変換器が一目でわかるパンフレット(NC-Z409)もご用意しています。これも併せてご利用ください。

     

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