エム・システム技研の生産管理システムと品質管理について
(株)エム・システム技研 品質保証部 部長 はじめに 今回は、「製品を(a)短納期で受注し、(b)お客様と約束した納期を守り、(c)よい品質でお届けする」というテーマについて、エム・システム技研がどのように運営しているか、またどのように運営しようと考えているのかについて紹介します。 (a)(b)を実現するための手段が生産管理で、(c)を実現する手段が品質管理と一般に呼ばれています。生産管理を一言で表現するのは難しいですが、JIS(Z8141)では次のように定義しています。 「所定の品質の製品を所定の期間に、所定の数量だけ期待される原価で生産するように、生産を予測し、諸活動を計画し統制・調整して、生産活動全体の最適化を図ること」 では、生産管理を具体的にはどのように運営しているか、そして次に生産管理に対応して品質管理をどのように運営しているかを紹介します。 1.(a)「短納期で受注する」に対して 1.対応策を検討するために考慮すべきポイント このテーマは、生産能力が無限大で、かつ材料の供給能力が無限大であれば何も問題を生じません。 しかし、両方の能力とも現実には有限です。この有限の能力をいかに大きくするか(有効に発揮させるか)が重要なポイントになります。 2.生産能力を大きくするために (1)製品の売れ方の検討 まず製品の売れ方を検討する必要があります。エム・システム技研の場合、変換器の種類は約1500あり、受注台数は2万台/月程度です。 受注する製品の機種のばらつきは大きいですが、受注台数のばらつきは月々でみると大きくても15%程度です。 (2)対応策 (I)設備のある外注先を数社選定し、外注依存率を上げる(一定値にする)。 ● ゆっくりとした受注増に対して、小さな設備投資で早く生産量を上げることができます。 ● 外注先が数社あると、一時的な受注増に対して、余裕のある外注先を選択して発注できます。ただし次に述べるように多品種に対応できることが条件です。 (II)外注先で製作可能な機種を増やす。同一機種を複数の外注先で製作可能にする。社内では、原則として全機種に対応可能とする。 ● この対策により、受注機種の変動に対する対応が容易になります。各外注先の対応機種が少ないと、または偏ると、受注変動によって特定の外注先だけで生産が増えることになります。 ● 外注先と長くつきあうためには、生産量の平準化が重要です。平準化できれば品質も安定します。 3.材料の供給能力を有効に発揮させる (1)在庫についての検討 在庫量一定(コスト上少ないほどよい)で材料供給能力を大きくしないと意味がありません。 (2)対応策 (I)設計段階で、共通的な半製品を在庫できるようにする。 ● この対策により、受注機種の変動に少ない在庫で対応できます。 (II)半製品、製品の受注に対応して、こまめに計画をたて、ロットサイズを小さくする。 |
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