計装豆知識

パソコンのキャッシュ・メモリ

 計装業界でも、パソコンを使用するのが当たり前のことになってきました。そのため、パソコンの仕様書を熟読する機会が多くなっています。
 仕様書の中でわかりにくい言葉に、「キャッシュ・メモリ」という用語があります。キャッシュというと現金(cash)という言葉が思い出されて、パソコンとどのような関係があるのか、と考えてしまいます。
 キャッシュ・メモリは cache memory と書きます。cacheとは、辞書によれば「物を隠したり貯蔵したりするのに安全なところ」という意味です。

パソコンのメモリに要求される条件

 パソコンにとって理想的なメモリ(記憶装置)は、応答速度がCPUと同じで、巨大容量を持つものです。しかし、応答速度の速いメモリほど価格が高くなるため、パソコン全体から見たコスト上の制約があります。コンピュータの開発者は、各種の応答速度と記憶容量を持つメモリを階層的に組み合わせることによってこの問題を解決しました。

局所性の法則

 あるテーマについて図書館で調査することを考えたとき、図書館から借りる本は特定のものに限定されます。また、図書館から借りた本は、閲覧室の机の上に広げて読みます。このような基本原理を「局所性の法則」と呼びます。
 コンピュータのプログラムにも、局所性の法則があります。すなわち、大規模なプログラムであっても、ある時点を区切ってみると、比較的小さなアドレス空間を使用しています。

メモリの記憶階層

 この局所性の法則に基づき、速度と容量が異なる何レベルかのメモリを使って記憶階層を実現します。記憶システムを階層的に構成すると、ユーザーには記憶階層中最大の容量のメモリを最高速でアクセスしているように見えます。

キャッシュ・メモリ

 CPUに最も近い記憶階層のキャッシュ・メモリには、SRAM(エスラム static random access memory)が使用されます。これは図書館の例では、机に相当します。

主記憶

 主記憶には、DRAM(ディーラム dynamic random access memory)が使用されます。DRAMはSRAMより安価です。DRAMでは1ビット当たり1個のトランジスタを使用しますが、SRAMでは4~6個のトランジスタを使用するからです。

キャッシュ・メモリの必要性

 最近のマイコンでは、クロックが高速化しています。そして、パソコン全体の性能を向上させるためには、キャッシュ・メモリの役割が非常に重要になっています。
 パソコンの主記憶(DRAM)を増設するときは、適正容量のキャッシュ・メモリも同時に増設しないと性能が出ないことに注意してください。

     




























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