各種制御出力用変換器(1)


(株)エム・システム技研 開発部 部長


はじめに

 エム・システム技研では、制御用変換器として各種の製品を販売しています。
 また、とくに制御用変換器には分類していない通常の変換器の中にも、制御用に使用できる製品があります。その代表的な用例として、警報器を使ってオン・オフ制御を行う場合が挙げられます。今回は、この例についてご紹介します。

1.分析計の出力信号による成分の制御

 プラントでは、温度、圧力、流量などの制御を行うために、通常PIDコントローラを使用しています。しかし、特殊な制御対象を扱う場合には、PIDコントローラでは上手に制御できないことがあります。よい制御ができない代表的な例として、分析計の信号を使った制御があります。
 ここでは、分析計の中でも一番多く使われているpH計によりpH値を制御する例について説明します。原料中に投入してpH値を制御するための物質、たとえばpHを下げるための調整剤としては塩酸のように酸性の物質を使用します。また、pHを上げるためには、アルカリ性の物質(代表的なものとしては、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ))を使います。通常、連続制御を行うのに、フィードバックPID制御が使用されます。しかし、pH値を変えるため調整剤を投入しても、検出端が接する部分のpH値がすぐには変らないため、調整剤を余計に投入してしまう恐れが多分にあります。この結果、オーバーシュート現象を起こし、pH値が大
幅に変動してしまいます。
 たとえば、風呂が熱くなりすぎたときに水を入れると、水道の出口近くの温度はすぐに変わりますが、遠い場所の温度が下がるのには時間がかかります。pH制御でもも同じ現象が起きます。
 すなわち、調整剤を投入してからその効果が実際に現れるまでにはかなりの時間を必要とします。pH制御の場合、PID演算によるフィードバックコントローラを使っても、圧力、流量制御のように上手に制御できない理由は、このような時間遅れのためです。ボイラーの制御ならばフィードフォワード制御を使用すればよい制御ができます。これは、送り出される蒸気流量と供給水量の関係が一定であるためです。一方、pH制御では、調整剤の量とpH値の相関が複雑であるためフィードフォワード制御を使っても、よい制御を実現することができません。また、無駄時間補償を使用したPIDコントローラを使う方法がありますが、これでもなかなかよい制御ができないのが実状です。

2.オン・オフ制御によるpH制御

 このようなとき、PIDコントローラでなくオン・オフコントローラを使って成功する場合があります。
 コントローラではなく警報器を使ってもオン・オフ制御ができることはすでに指摘しました。具体的な例を挙げれば、今回新規に開


     





























































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