計装豆知識

不均等パルス信号のアナログ変換

 パルス信号(パルス列信号)をアナログ信号に変換するとき、パルスアナログ変換器を使用します。
 このとき注意する必要があるのは、不均等パルスの問題です。ほとんどの場合、パルス発信器の仕様には不均等パルスであることを表現していません。通常、パルス信号は、そのままカウンタに入力してパルスの数を積算するため、不均等パルスであってもその積算値には影響しないからです。
 しかし、不均等特性を持ったパルス信号を入力してアナログ出力に変換すると、アナログ信号に脈動が現れます。この影響は、パルス速度が遅くなるほど大きく現れます。

パターン-1:周期変動形

 オーバル流量計は、容積式流量計としてたくさん使われています。この流量計はオーバルギアの特性上、流量測定時に等速回転しません。大部分の機種はパルス発生機構で機械的に等速化していますが、中には等速化していない機種があります。
 等速化していない機種では、同一瞬時流量であっても数パルス単位(機種により固定)で周期的な脈動を起こします。
 他の方式の容積式流量計でも、構造的に不等速回転による不均等パルスを発生し易いものが多いので注意が必要です。

パターン-2:間引き形

 パルスを入力してパルス率を変換し、再びパルス信号を出力するパルスレート変換器も、不均等パルスを出力します。通常、デジタル式のパルスレート変換は、パルスの間引きを行います。この間引きを行うとき、突然、パルスが1つ消失するため、この時点で不均等現象が発生します。

パターン-3:定周期一括払い出し形

 カロリーメータなどの複雑な演算を行う演算器では、積算パルスをかなり長い周期(例:30分)ごとにまとめて払い出す方式のものがあります。
 これを均等パルスと考えて一般的なパルスアナログ変換器を使用したため、やり直しをした例があります。

均等なアナログ信号を出力する方法

 M・UNITシリーズのパルスアナログ変換器(形式:JPAまたはJPAD 98,000円)を使用すれば、以上の問題が解決できます。
 JPAは、不等速パルスの平均化機能を内蔵しています。容積式流量計のロータ1回転あたりのパルス数(2、3、4・・・など)をプログラミングユニット(PU-2□)で設定しておきます。
 JPADは、不等速パルスの平均化機能に加えて、移動平均演算も可能で、パターン-2の間引きパルスを均等化するのに役立ちます。
 パターン-3の「定周期一括払い出し形」では、MsysNetシステムの演算機能を利用し、各種の演算ブロックとシーケンサ・ブロックを組み合わせてシステム構築を行うことにより対応します。

     















































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