UL規格適合信号変換器について

(株)エム・システム技研 開発部
営業技術グループ 主事


 はじめに

 エム・システム技研では、主要信号変換器の海外安全規格への対応策として、従来、北米(カナダ)向けCSA適合機種および欧州向けCEマーキング(EMC指令、低電圧指令)適合機種を開発して参りました。このたび、これに加え、北米向けとして、ULによる認定を取得いたしました。今回UL認定を受けた信号変換器を表1に示します。これらの製品については、米国以外にカナダでも有効なC-UL認定も同時に取得しています。

1.UL規格

 UL(Underwriters Laboratories、アンダーライターズ・ラボラトリーズ)の歴史は、1893年シカゴで開催されたコロンビア博覧会での火災をきっかけに設立された『火災保険業者電気局』から始まり、現在では家庭用から工業用に至る各種素材・製品の安全性に関する規格を開発し、製造メーカーからの申請に基づいて試験を行い、その製品が規格に適合していることを認定するサービスを行っています。
 ULは民間機関であり、その規格は任意規格ですが、アメリカでは広く普及し電気製品などの事実上の強制規格として重要な地位を占めています。ULによる認定は、政府や公共機関によっていたるところでその有効性が認められています。また、プラントや公共施設などによっては、UL認定品しか調達を認めないところもあります。さらに、ULパネルショップといって、UL認定品の部品だけを使用してUL認定の方法で計装パネルを作ることを専門にしている盤業者もあります。

2.認定への手順

 ULの認定を受け、さらに製品にULマークを表示し続けるためには、まず(1)UL試験所でのサンプル品試験に合格し、(2)IPI(Initial Production Inspection、初回生産検査)と呼ばれている生産現場での量産品の検査に合格し、さらに(3)年4回のFUS(Follow-up Services、フォローアップ・サービス)と呼ばれている生産現場での量産品の抜打ち検査に合格する必要があります。このIPIおよびFUSは、ULが製品の安全性を保証する上で特徴的な制度であり、認定時に試験を行ったサンプル品と同じものが量産されていることを確認することによって、メーカーが引き続きULマークを使用できることになっています。日本ではこの試験・確認業務をスタンダード試験株式会社が代行しています。

3.信号変換器の規格

 UL規格は、製品カテゴリーごとに制定されていて、UL独自の規格もあれば、他の国際規格と整合が図られているものもあります。今回、エム・システム技研の変換器については、UL 3111-1「測定、制御

     















表1 UL規格適合製品機種
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