スーパーDCSによるフィードフォワード制御の例として、紙・パルプ工業におけるフリーネス<注1>制御について、概要を紹介します(図2参照)。
図2において、フリーネス制御ループが叩解機<注2>出口におけるパルプ液のフリーネス値を一定に保つために、叩解機の負荷電力制御ループの設定値を操作しています(叩解機の負荷電力とフリーネス値は反比例します)。ここで、フリーネス値の検出にはフリーネス計が用いられますが、この測定器はサンプリング測定方式であるため、フィードバック制御ループを構成する場合、系に長いむだ時間要素が含まれることになります。そのため、本ループにはサンプル値 PI 制御を適用しています。
上記のループにおいて、叩解機を通過するパルプ液の流量変動が制御系に対する主外乱となり、とくに短周期変動や突発的な変動に対してはサンプル値PI制御による外乱抑制効果は期待できません。