各種制御出力用変換器(2)
(株)エム・システム技研 開発部長
はじめに
現在、計装で使用されている統一信号は、ほとんどが4~20mAまたは1~5Vです。以前は、規格化されていなかったため、10~50mA、2~10mA、0~16mA、0~20mAなど様々な信号が使用されていました。このように計装用信号がいろいろあるとユーザーがシステムを構成するとき不便であるため、ISAが統一信号として4~20mA/1~5Vを決めました。
エム・システム技研の変換器では、既設製品の旧信号でも取り扱えるように、現在の統一信号以外の信号にも対応できる各種のモデルを用意しています。
プラント内の伝送器(差圧伝送器、圧力伝送器、温度伝送器など)用としての変換器は、ディストリビュータ(形式:YVD、価格:65,000円)が使用されます。伝送器以外の信号としては、熱電対や測温抵抗体が多数用いられています。熱電対や測温抵抗体の信号を統一信号に変える変換器がセンサ入力用変換器です。代表的なものとして、カップル(熱電対)変換器(形式:JT、価格:108,000円)や測温抵抗体変換器(形式:JR、価格:100,000円)があります。このほか計装で使用する変換器として、特性変換器と呼ばれている演算器類(3入力デジタル式演算変換器(形式:JFK、価格:150,000円))があり、温圧補正その他各種の演算に使用されています。
入力用変換器に対し、出力用変換器もあります。もっとも多用されているのがアイソレータ(形式:YV、価格:30,000円)であり、また空気式の操作端用の信号を得るのには電空変換器(形式:VP、価格:120,000円)が使用されています。
温度コントロールでも信号としては一般に4~20mAが使われていますが、既設装置が4~20mAに対応していない場合などに、デューティパルス出力変換器(形式:MTD、価格:98,000円、図1)が使用されることがあります。今回は、その使用例をご紹介します。
デューティパルス出力
変換器の使用例
デューティパルス出力変換器は、アナログ信号をパルス信号に変換する変換器です。
デューティパルス出力変換器の出力は、図2に示すとおりです。周期に対するON時間の比をデューティ比と呼んでいます。デューティ比「0」はすべて「OFF」の状態で、デューティ比「100」はすべて「ON」の状態です。また、デューティ比「50」は「ON」と「OFF」の時間が等しい状態を指します。デューティパルス出力変換器では、入力信号0~100%に対してデューティ比が0~100%に変化します。
このようなデューティパルス信
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