号を使用する制御の例として、炉の温度制御があります。炉の熱容量は一般に大きい値であるため、連続制御方式でなくても制御することが可能です。
 デューティパルス信号で制御する場合、一般に「ON」の時間でヒーターを作動させ、「OFF」でヒーターを切ることによって制御が行われます。このとき、周期は、炉の熱容量と関連し、「OFF」の状態で温度が必要以上に下がらないように決めます。
 また、ヒーターをON/OFFする素子がSCRのような半導体であるか、接点をもったマグネットスイッチであるかによっても適当な周期が決められます。機械的接点をもったマグネットスイッチでは、当然ながら長周期で制御することになりますし、半導体を使用したものであれば、短周期での制御が可能です。小形の炉では熱容量が小さいため、半導体を用いたスイッチを使い、短周期で制御します。
 デューティパルス出力変換器による温度制御の原理を応用した製品として、教材シリーズPID実習セット(形式:PID-T、価格:980,000円、図3)があります。この実習セットは、実際のプロセスと同じ感覚で自動制御を体験できるように設計してあります。その構成を図4に示します。
 このセットでは、保温電球の温度制御を行います。熱電対からの信号をカップル変換器(形式:18JT、価格:63,000円)で統一信号に変換したのち、DCSカード(形式:18MA、価格:150,000円)に入力します。DCSカードとパソコンはスルーカード(形式:18ME、価格:3,000円)と通信レベル変換器(形式:LK1、価格:40,000円)で接続されています。パソコンからは設定値(SV)の設定、また測定値(PV)や操作出力値(MV)の監視を行います。操作出力値(MV)の4~20mAは、デューティパルス出力変換器でON/OFF信号に変換されSSRで保温電球用電源の入切を行っています。
 規模の違いはありますが、炉の場合にも同様な方式で制御することができます。

おわりに

 各種制御用変換器として、先に(本誌本年4月号)警報器による制御を、また今回はデューティパルス出力変換器による温度制御をご紹介しましたが、これらはほんの一例にすぎません。変換器の組み合わせによって、もっと複雑な制御や最適な演算などが行えます。機会があれば今後もそれらの例をご紹介したいと考えています。

     
























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