雷対策は万全ですか?

電子機器にとって雷は人災です。


(株)エム・システム技研 開発部


はじめに

 電子式の計装機器は高い性能をもち、集中制御、集中管理には不可欠ですが、落雷に伴って生じる誘導雷サージによって破壊されやすいという問題を抱えています。エム・システム技研は、誘導雷サージのエネルギーによって破壊された機器を多数分析し、確実に計装機器を保護できる電子機器専用避雷器、「エム・レスタ」を開発しました。
 避雷器発売以来25年、その納入実績は70万台を超すまでに至りました。
 山の向こうに生じた稲妻で手元の計装機器が壊れたといったご経験をお持ちの方々は大変多いことと思います。エム・システム技研は、このような計測制御、信号伝送設備の維持管理に当たる多くの計装技術者の皆様に安心をお届けしてまいりました。

1.雷サージの侵入経路

 電子式の計装機器を破壊する雷サージの侵入経路としては、センサからの入力信号ケーブルや制御出力信号ケーブル、通信ケーブル、電源ケーブルなど屋外から引き込まれているすべてのケーブル類が挙げられます。これらの侵入経路のすべてに避雷器を設けることによって、雷サージを吸収消滅させ、ほぼ完全に雷サージによる機器の破壊を防止することができます。

2.雷サージによる破壊モード

 コンピュータや工業計器の端子に現れる雷サージ電圧は、線間にV1、マイナス-アース間にV2、プラス-アース間にV3のような形で現れます(図1参照)。V1は、線間破壊の原因になり、V2、V3は放電破壊の原因になります。
 ●線間破壊(V1)
 線間に発生する雷サージ電圧は高くても数百V程度ですが、線間に構成されている半導体や電子部品に直接印加されるため、比較的低い値でも機器内部の電子部品を破壊します。
 ●放電破壊(V2、V3)
 線とアースの間に発生する雷サージ電圧は非常に高く、数万Vにも達する場合があります。線-アース間雷サージ電圧はこのように非常に高いため、ケーブルに接続した機器の内部回路に使用されている部品と接地されたケースの間にアーク放電が生じます。したがって、その放電電流が流れる通路にある電子部品がすべて破壊されることになります。

3.避雷器の構成

 信号用避雷器の構成としては、 図4に示すように、侵入してくる線間の雷サージV1に対しては放電素子SA1とツェナーダイオードZDによって制限電圧以下に制限します。このとき、被保護機器に使用している部品の最大使用電圧(普通数十V)以下に電圧を抑えることが必要です。また、線-アース間のV2、V3に対しては、機器の内部でケースに対して放電を起こす前に、避雷器内部で放電素子SA2、SA3によって、放電させることにより電子部品の破壊を防止します。一般に電

     




































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