より一定値に制御するのが、この実習セットの主な機能です。DCSカードとパソコンとは、アスキー通信ユニットを介して接続されていて、水位・流量ユニットを例にとれば、DCSカードの入出力である水位・流量測定値(PV)、水位・流量目標値(設定値SV)および制御出力値(MV)がパソコンの画面にリアルタイムで表示されます。また、パソコンのキーボードあるいはマウスにより、P・I・Dの各定数や自動/手動の切り替えなどを自由に操作することができます。

4.制御動作

 実習セット(水位・流量ユニット)の機器構成を図2に示します。測定槽の水位を気泡式水位センサ(背圧)で測定し、一方ポンプの吐出流量は羽根車式流量計で測定します。水位はロードセル変換器で、流量パルスはパルス変換器によってDC1~5Vに変換した後、DCSカードの水位と流量調節部の測定値として入力します。DCSカードの調節部は、この測定値(PV)とパソコンからの水位・流量設定値(SV)とを比較して、その偏差にPID演算処理を施し、演算結果を制御出力(MV)(DC4~20mA)として調節弁に与えます。またカスケード制御の場合は、1次側の水位調節計の出力(MV)が2次側の流量調節計の流量設定値(SV)になります。この設定値(SV)と流量測定値(PV)との偏差に同じくPID演算処理をして、演算結果を制御出力(MV)(DC4~20mA)として調節弁に与えます。この制御出力値(MV)を受けた調節弁は、ポンプから吐出する水の流量を、測定槽の水位が最終的に設定値(SV)に等しくなるように制御します。

5.チューニング(実習用)画面

 選定した各種のPID定数条件下で、SVにステップ状の変化を与えたとき、PV、MVがどのように変化するか、トレンドグラフ画面に表示されたデータを観察し、またプリントアウトしたトレンドグラフを観察してPID制御の動作を学びます(図3参照)。

6.PID実習セットの設置と接続

 実習セットとパソコンをAC100V電源に接続すれば直ちに使用できます。

おわりに

 PID制御の教育(実習・体験)をご計画中の学校や企業現場の方々は、お手元のパソコンソフト“Windows95”を使用することによって、直ちに目的を実現できます。ぜひお試しいただきたいと思います。

     



表1 
使用するパソコンの主な仕様







図2 
水位・流量実習ユニットの
機器構成




図3 
チューニング画面
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