計装豆知識

変換器の歴史

 1960年以前の計装では、現場型計器が使用されたため、変換器が単独に使われることはありませんでした。すなわち、空気式伝送器を現場または計器室に置き、伝送器の出力信号によって直接制御していました。また、温度制御には、キャピラリー型の熱膨張式コントローラを使用していました。
 1960年代に入ると、真空管を使った電子管式計器が現れ、計装用として使用されるようになりました。この時代以降、各種信号を電気的に処理できるようになり、単独の変換器が現れてきます。初期の変換器の機種は、リニアライズ機能付きの熱電対変換器・測温抵抗体変換器程度でした。
 1960年代後半になると、ゲルマニュームトランジスタを使用した計器が現れ、性能も飛躍的に向上しましたが、トランジスタの信頼性が低いため故障が多かったようです。その後、シリコントランジスタが採用されるようになり、信頼性が上がり故障も大幅に減るのに伴って、電気式計器が大量に使用されるようになりました。この時代には、変換器の種類も大幅に増え、現在の変換器の原型ができ上がりました。
 この時代の変換器は、別名「弁当箱」と呼ばれるような形状であり、寸法も非常に大きなものでした。変換器の種類としては、熱電対変換器・測温抵抗体変換器・ディストリビュータ・アイソレータ・警報器・リニアライザ・乗算器・除算器・加減算器・抵抗変換器など様々な製品ができました。
 1970年代になると、集積回路(IC)が採用されるようになり、変換器の機能が大きく向上しました。また、その構造もまったく変わったものになってきました。すなわち、プラグイン形変換器の登場です。エム・システム技研の「M・UNIT変換器」はこの時代に開発・販売開始したもので、現在に至るまで続いて多数ご使用いただいております。この変換器の最大の特長は、メンテナンス性が非常に優れている点です。なお、計装用の避雷器もこの時代に開発・販売開始され、エム・システム技研では、「エム・レスタ」という商品名で、早期に販売開始しました。
 1970年代中頃には、DCS(Distributed Control System)が現れ、計装方式が大幅に変化し、それに対応して変換器についても新しい製品が開発されました。
 1980年代は、デジタル技術が大いに発達した時代であり、マイクロコンピュータが各種の製品に採用され始めました。計装の分野でも、シングルループコントローラやDCSは当然として、変換器にもマイクロコンピュータが採用され、客先で自由にレンジを変更できるレンジフリーと称する変換器が現れました。エム・システム技研のスペックソフト形変換器(JXシリーズ)はこの時代に製品化しました。DCSは1980年代に大幅な進歩を遂げ、DCS用変換器も大きく発展しました。エム・システム技研のDCS用変換器18・RACKシリーズはこの時代に開発しました。
 マイクロコンピュータを採用することによって、ハードを改造しなくても機能が変更できるようになりました。しかし、変換器の種類はさらに増え、デジタル式フィルタ変換器・デジタル式演算器・3入力演算器などに見られるように、デジタル演算の発展によって変換器の機能が大幅に進歩しました。
 1990年代には、ASICと呼ばれるカスタムICが採用され、変換器の小形化が一段と進みました。

     



























計装用プラグイン形変換器 
M・UNITシリーズ

電子機器専用避雷器 
エム・レスタシリーズ




ラック収納形DCS用変換器
エム・レスタシリーズ








コンパクト変換器
みにまるシリーズ









<前ページへ次ページへ>

*. 本ウェブサイト上に掲載されている情報は、掲載した時点での情報です。記載内容はお断りなしに変更することがありますのでご了承ください。

*. 本ウェブサイト上の表示価格には消費税は含まれておりません。ご注文の際には消費税を別途頂戴いたします。

MG 株式会社エムジー

Copyright © 1992 MG Co., Ltd. All rights reserved.