1999年5月号
ネットワーク計装部品MsysNetシステム

MsysNetニュース

 No.35
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製 品 情 報
●ワンループコントローラの設定
 エム・システム技研で扱っているワンループコントローラとしては、3種類の製品(形式:ABA、ABH、ABE)があります。出荷台数の増加にともない、その設定内容などについてのご質問が増えてきました。
 そこで、基本的な設定内容について以下にご説明します。
【出荷時の設定内容】
 出荷時のソフトウェア内容については、ワンループコントローラの電源を入れれば、直ちに基本的な調節計として使用できるように設定されています。
 具体的には、次のような計器ブロック構成になっています。
〈計器ブロック構成〉
●フィールド端子ブロック(形式:F06、Group01)
●基本PIDブロック(形式:21、Group02)
両者の結線については、図1を参照してください。
〈内 容〉
 フィールドから入力された測定値(PV値)が基本PIDブロックのPV接続端子(Item15)に接続されています。設定値(SP値)とPV値との差(偏差)に対してPID演算を行い、その結果である出力値(MV値)がフィールド端子のMV接続端子(Item11)に接続され、外部への4~20mA出力信号になります。PIDブロックのPV値およびSP値のレンジ範囲は0~100.00%に設定されています。比例帯(P)は100%、積分時間(I)、微分時間(D)はそれぞれ0%になっていますから、使用条件に応じて現場でチューニングを行ってください。
【設定変更の例】
〈PV値に1次遅れフィルタを入れたい場合〉
 変更するには以下の2つの方法があります。
(1)Group02を拡張PIDブロック(ECA、形式:22)に変更し、1次遅れ時定数に適切な値を設定します。
(2)フィールド端子ブロックと基本PIDブロックの間に、1次遅れフィルタブロック(LAG、形式:60)を入れ、1次遅れ時定数に適切な値を設定します(図2参照)。
 図2の1次遅れフィルタブロックの代わりに別のブロックを使ったり、複数のブロックを間に入れることも簡単にできます。
 〈 2次ループにカスケード制御を入れたい場合〉
 Group02に拡張PIDブロック(ECA、形式:22)を設定します(図3参照)。
 1次ループは通常はAuto状態になっています。2次ループのC/Lスイッチがローカル状態の場合、1次ループの外部帰還スイッチをONにします。これはシーケンスブロック(SEQ、形式:95)を介して行われます。そうすると、1次ループのMV値を外部帰還端子を経由し、2次ループのSP値にトラッキングさせることができます。2次ループがカスケード状態に切換わった直後は、1次ループのMV値=2次ループのSP値になり、2次ループのSP値をバンプレスに切換えることができます。
 ワンループコントローラは幅広く応用されています。今後も、その具体例を紹介して参りますが、読者各位からも、お差支えない範囲で、実例のご提供をいただければ幸いです。

MKセミナー受講体験記
 今回は、MsysNet製品を使用したシステムを数多く手がけられている株式会社エイトシステムの受講者の方にご寄稿いただきました。
●受 講 者
 株式会社エイトシステム
 栗原 竜二 様、松原 義典 様
 東京都八王子市北野町579-6
 TEL. 0426-56-3211
 FAX. 0426-56-3226
 (株)エイトシステムは、産業用配電盤、制御盤メーカーである(株)エイト電機の、システム設計部門を担う会社です。産業用プラントの合理化、自動化設備のエンジニアリング、ハードおよびソフトの設計、現地試運転などの業務を担当しています。
 日常、MsysNet製品をはじめ、各社のシーケンサ、パソコン等を駆使して、顧客ニーズに合致したコストパフォーマンスの高い製品、システムの開発を行っています。
 納入実績の主な例は、次に挙げるとおりです。
●ABA1台から18MA150台程度の計装制御システム(シーケンサ併用)
●数台から40台程度の公衆回線使用テレカプラ遠方監視システム
●AI160点、DI320点程度のデータロガーシステム
 MKセミナーのMsysNet を受講した動機ですが、(株)エイトシステムではエム・システム技研製品を組み込んだ仕事を手掛けることが数多くあるため、勉強の一貫として、入門と応用の両方を受講しました。
 講習としては、監視操作ソフトの構築と操作、また実際例についてのシステム構成などを行いました。構築技量に対応していろいろな使用方法の可能性が感じられる内容でした。
 受講後に、エム・システム技研のテレメータやロガーを使ったプラントを手掛けたときには、受講時に教わったことが大変役に立ち、また、より深く理解することができました。
 そのときに感じたことなのですが、システムをしっかり構成しておけば、システムは分かりやすく、使いやすいものです。
 一方、プロセス用監視 操作ソフト(形式:SFD)の使用中に、名称の書換えや、画面の修正がパスワードなどを打ち込むことによって容易に行えたり、トレンド画面で、TAGとコメントが画面上に示されたり、オンライン運転時にコントロールグループやトレンドの設定ができれば、もっと、便利で分かりやすいと思いました。
 今後も、操作性に優れ、いろいろな可能性をもった製品が開発されることを期待しています。
 その他感じていることとして、計器ブロックリスト構築ソフト(形式:SFE)を使ってみて、機器情報がリアルタイムに見られれば、さらによいと思いました。 ■

 【(株)エム・システム技研 営業技術部】
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