1998年5月号 | |||||
ソフトウェア計器ブロックビルダーソフト SFE-WIN | |||||
エム・システム技研 営業技術部長 | |||||
は じ め に MsysNetシステムには、ワンループコントローラや制御カード、I/Oユニットやインタフェースユニットなど、各種の「計装部品(機器)」がとり揃えられています。また、これらの機器の制御機能や各種演算機能は、各機器に共通な「ソフトウェア計器ブロック」の組み合わせによって実現できます(表1にソフトウェア計器ブロックの一覧を示します)。機器のプログラミングは、基本的には、これらのソフトウェア計器ブロックの接続方法を指定する(結線する)ことと、各ブロック内の演算係数などの内部パラメータを設定することを意味します。したがって、ソフトウェアに関する専門的な知識がなくても、誰にでも簡単にプログラミングでき、この点が大きな特長になっています(図1に、プログラムの例を示します)。 プログラムミング用ツールとしては、機器内の個々の計器ブロックに対して直接書き込みや読み出しを行う、携帯形の簡易プログラミングユニット(形式:PU-2A)と、パソコン上でプログラミングを行い、機器に対して一括してデータをダウンロードしたり、機器のプログラム内容をアップロードできるビルダーソフト(形式:SFE)とがあります。 このビルダーソフトSFEに、最新のパソコン用OSであるWindows上で動作する新製品、SFE-WIN(形式:SFEW)が登場しました。その機能の概要と特長について、以下にご紹介します。 1.SFE-WINの機能の概要と特長 ●動作環境 SFE-WINはWindows95もしくはNT4.0が搭載されたパソコンにインストールして使用できます。機器に対するプログラムのロード/セーブには、シリアルポートを用います。 また、エム・システム技研のオペレータズユニット(形式:OPU)には、標準でSFE-WINが付属しています。 ●グラフィカルコーディング 使用する計器ブロックを登録すると、計器ブロックが画面上に図形的に配置されます。計器ブロック間の信号の結線は、出力端子と入力端子の間をマウスでドラッグして線を引くことにより、極めて簡単に実行できます(図2参照)。 ●機器間接続 MsysNetシステムでは、複数の機器間で、それぞれのデータを、NestBusやM-Bus、L-Busのネットワークを経由して自由にやりとりできることが特長です。この機能は、個々の機器が持つ、「機器間伝送端子」というソフトウェア計器ブロック間の接続を指定することで実現できます。SFE-WINでは、グラフィカルコーディングでの説明と同様に、マウスドラッグ描線によって機器間伝送端子の間を簡単に接続することができます。複数の機器間接続がグラフィカルに確認できるため、複雑な信号の取り合いでも、大変分かりやすくなります(図3参照)。 ●ラダー画面 シーケンス制御機能は、「シーケンサブロック」というソフトウェア計器ブロック内のシーケンスコマンドの組み合わせによって実現しますが、SFE-WINのラダーウィンドウを使用することによって、ラダー表現でプログラミングを行うことができます(図4参照)。リレー回路やPLCの設計に慣れた方には、大変分かりやすいプログラミング方法です。 ●オンラインビルダ機能(開発中) OPUに付属しているSFE-WINを使用する場合には、各機器に対して、プログラムをネットワーク経由でロード/セーブすることが可能です。このとき、各機器が稼働中のままでも差し支えないため、とくに比較的規模の大きなシステムに対するプログラミング時、またシステムの現地調整時などに、大変便利な機能となります。 お わ り に MsysNetのプログラミングは、一度こつを修得してしまえば大変わかりやすく、また簡単なものであるということをご理解いただきたいと思います。また、標準化されている計器ブロックの種類も極めて豊富であるため、これらを駆使し、エンジニアリングを楽しみながら、高度な機能を実現していくことができます。SFE-WINの登場によって、MsysNetのエンジニアリング性がより一層向上し、お客様にとって取り扱いやすいシステムになりました。 ■ |
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