1998年1月号 |
は最大500mの通信が可能です。NXLでは、10BASE5をイーサーネット幹線との
接続に使用します。 10BASE-Tとはオフィス環境でのイーサーネット回線の敷設やその変更をとくに容易にできるよう開発された規格です。回線としてツイストペアケーブルを使用し、最大100mの通信が可能です。イーサーネットによる事務処理用LANへのパソコンの接続については、この規格による接続が多用されています。NXLでは、システム立ち上げ時のデバッグ作業の際、取り扱いが容易な10BASE-Tを使用することができます。 ●取り扱いが簡単です。 NXLのハードウエアは、外形寸法が幅150×高さ100×奥行き123mmと小形のボックス構造であり、制御盤内での壁取付けやDINレール取付けが可能です。また、その前面に配線接続が必要な電源端子、コネクタおよび状態表示用LEDをすべて配置しています。 なお、一般の機器では、イーサーネットに10BASE5で接続する場合、トランシーバ用のDC12V電源を別途必要とする場合があります。しかし、NXLでは、この電源を内蔵しているため別途用意の必要はありません。 ●ビルダーソフトを装備しています。 自律分散通信やPLCとの間の通信は、通信に関するデータベースの設定に従い実行されます。この設定は、ビルダーソフト(NXLビルダー)をインストールしたWindows95/NT対応のパソコンをNXLに接続して行ないます。ビルダーソフトは、データベースの設定、設定内容のダウンロード、アップロードなどの機能を備えています。 ●PLCとの接続インタフェースとしては、RS-232-CとRS-422を備えています。 接続できるPLCとしては、日立製のHIDIC-S10αシリーズと三菱製のAJ71C24-S8対応のPLCがあります。 2.NXLによるPLCとイーサーネット(上位)間の通信機能 ●PLCからイーサーネットへの送信 まず、PLCの上位通信用メモリエリアに送信・受信バッファと送信制御用の送信要求フラグを割り付けます。PLCから上位側にデータを送信するには、PLC側で送信バッファに送信データを設定し、送信要求フラグをセットします。NXLはPLCと通信し、このフラグがセットされているか否かを常時監視します。そして、フラグがセットされていれば、PLCの送信バッファに設定されたデータを取り込み、自律分散通信の手順に従う形式に変換してイーサーネット上に送出します。イーサーネット上では、必要とするノードがこのデータを取り込みます。 ●PLCからイーサーネットへの連続送信 上位側で、温度や圧力などのアナログ信号を連続的に収集することがあります。こうした場合、PLCからアナログ信号のデータを送信する毎に送信要求フラグを設定するのでは手間がかかります。そこで、NXL内の通信用データベースに送信データの連続送信指定項目を設けています。この項目で連続通信が設定されている場合、NXLは送信要求フラグを監視することなく、PLCから連続的にデータを受信し、受信したデータを自律分散通信のデータ形式に変換してイーサーネット上に連続的に送信できます。 ●イーサーネットからPLCへの送信 NXLは、イーサーネット上を流れるデータから自己のノードに関するデータを受信し、そのデータをPLCへの送信形式に変換してPLCへ送信します。 おわりに 以上NXインタフェースの概要と特長および通信機能を紹介しました。今後は、NXインタフェースが対応できるPLCの機種を 増やすことと、エム・システム技研のパソコン計装システムであるMsysNetシステムを自律分散通信へ対応させることを計画して います。なお、自律分散通信の詳細については、ホームページhttp://www.hitachi.co.jp上での紹介をインターネットを使って ご参照ください。 |
|