2005年12月号
エムエスツデー 2005年12月号

リモートI/O R3シリーズ
クランプ式センサ入力形 交流電流入力カード
(形式:R3-CT4A、R3-CT8A、R3-CT4B、R3-CT8B)
(株)エム・システム技研 開発部
は じ め に
エム・システム技研では、リモートI/O R3シリーズの製品としてCT入力カード(形式:R3-CT4)をご提供しています注)。この製品はCTトランスを必要とするため、既存の設備に用いる場合には再配線などの煩雑な作業を行わなければなりません。そのため、配線が容易なクランプ式センサへの対応を求めるご要望が数多く寄せられていました。
このたび、クランプ式交流電流センサ(形式:CLSA-□、CLSB-□)の発売に合わせ、R3シリーズに、クランプ式センサ入力形 交流電流入力カード(形式:R3-CT4A、R3-CT8A、R3-CT4B、R3-CT8B)を新たに追加することになりましたので、ここにご紹介します。
1.概 要
クランプ式センサの種類(CLSA-□、CLSB-□)に対応して、R3-CT□A(リード線形)とR3-CT□B(ねじ端子形)を準備しています。
入力カード本体側面のディップスイッチ(SW1、SW2)によりセンサの種類(入力レンジ)は容易に設定することが可能であり、入力値を問わずPCおよびPLCなどによるデータの収集、監視が容易に行えます。
2.特 徴
(1)多点入力
4点入力、8点入力の2種類の入力カードを各センサごとに準備しています(表1)。
表1 交流電流入力カードの種類
形 式 |
センサ |
点 数 |
クランプ式交流電流センサ CLSA-□ | 4 |
|
クランプ式交流電流センサ CLSA-□ | 8 |
|
クランプ式交流電流センサ CLSB-□ | 4 |
|
クランプ式交流電流センサ CLSB-□ | 8 |
(2)センサの種類
R3-CT□Aではセンサ(CLSA-□)の入力レンジの異なる4種類を、またR3-CT□Bではセンサ(CLSB-□)の入力レンジの異なる5種類を接続することが可能です(表2)。
表2 クランプ式交流電流センサの種類
CLSA リード線形 |
CLSB ねじ端子台形 |
||||
形 式 |
電流範囲(A) |
電線経(φ) |
形 式 |
電流範囲(A) |
電線経(φ) |
CLSA-08 |
0~ 80 |
10以下 |
CLSB-05 |
0~ 50 |
10以下 |
CLSA-12 |
81~120 |
16以下 |
CLSB-10 |
51~100 |
16以下 |
CLSA-30 |
121~300 |
24以下 |
CLSB-20 |
101~200 |
24以下 |
CLSA-50 |
301~500 |
36以下 |
CLSB-40 |
201~400 |
35以下 |
CLSB-60 |
401~600 |
35以下 |
(3) 実量出力
センサに関係なく、電流値(A)の100倍の値をPLCなどに出力します。従来のようにCT比を計算する必要がなく、またセンサごとのスケーリングも必要としません。たとえば、1Aならば“100”、15.3Aならば“1530”になります。
(4)センサの組合せ
4点入力用の入力カードでは、各入力ごとにセンサを個別に設定することができます。
また8点入力用の入力カードでは、入力4点ごとにセンサを設定することが可能です。
(5)設定が容易
接続するセンサの形式を、側面のディップスイッチで設定するだけで使用することができます(図2)。PCなどを使った複雑な設定作業は必要としません。
(6)保護回路
クランプ式センサに保護回路が内蔵されているため、センサの2次側を解放しても安全です。2次側短絡処理も必要ありません。
(7)入力端子台
従来のユニットと同様に、入力端子台としては2ピースタイプを用いています。したがって、ユニットの交換などが容易に行えます。
(8)豊富な通信カード
R3シリーズには多くの通信カードが準備されています。これらの通信カードと組み合わせて使うことにより、多種類のPLCとの接続が容易に行えます(表3)。
表3 R3シリーズの通信カード
種 類 | 形 式 |
備 考 |
CC-Link用 | Ver.1アナログ16点対応 | |
CC-Link用 | Ver.1アナログ32点対応 | |
CC-Link用 | Ver.2対応 | |
DeviceNet用 | アナログ16点対応 | |
DeviceNet用 | アナログ32点対応 | |
DeviceNet用 | アナログ64点対応 | |
Modbus用 | − | |
Modbus/TCP(Ethernet)用 | − | |
PROFIBUS-DP用 | − | |
Tリンク用 | − | |
LONWORKS用 | − |
3.主な仕様
表4に交流電流入力カードの主な仕様を示します。
表4 交流電流入力カードの主な仕様
R3-CT4A |
R3-CT8A |
R3-CT4B |
R3-CT8B |
|
入力点数 |
4 |
8 |
4 |
8 |
センサ |
CLSA-□ |
CLSA-□ |
CLSB-□ |
CLSB-□ |
センサの設定(ディップスイッチ) |
各入力ごと |
入力4点ごと |
各入力ごと |
入力4点ごと |
変換時間(ms) |
80 |
160 |
80 |
160 |
変換精度 (センサフルスケールに対し)* |
±0.5% |
|||
入力応答時間 | 0.5s以下 |
|||
絶 縁 | 各入力間 |
|||
耐電圧(絶縁区間、1分間) | AC1500V |
AC500V |
AC1500V |
AC500V |
絶縁抵抗(絶縁区間、DC500V) | 100MΩ以上 |
|||
変換データ | 実量値×100 |
|||
*変換精度にはセンサの精度は含まれていません。 |
お わ り に
クランプ式センサ入力形入力カードは、今回ご紹介した交流電流入力カード以外に電力入力カードにも展開しています。次号の『エムエスツデー』にてご紹介する予定です。
エム・システム技研では、リモートI/O R3シリーズ、R5シリーズについて、入出力カードや通信カードの機能拡充、機種拡充にこれからも努めて参ります。これらのリモートI/Oに関するご意見やご要望などがあれば、ご遠慮なくエム・システム技研のホットラインまでお寄せください。
注)R3シリーズの電力関連製品については、『エムエスツデー』2005年11月号でご紹介しています。