2006年1月号
エムエスツデー 2006年1月号
2006年 新年のごあいさつ
![]() |
宮道 繁 (株)エム・システム技研 代表取締役会長 |
あけましておめでとうございます。
2005年を振り返りますと、国際的に2つの出来事が思い浮かびます。一つは中国における反日運動であり、もう一つは原油価格の高騰です。
今や自由貿易が行きわたり、世界は連動しています。中国が、日本の国内問題に対して、あれこれ干渉してくるのは筋が違うと思うのですが、何かその裏側に、国家間のかけ引きがあるのではないかと思われます。
日本は、独立国家として、この種の問題に毅然とした態度で臨んでもらいたいと考えます。
昨年の原油価格の高騰は、需要と供給の関係で発生したのではなく、本来は市場を安定させるための仕組みである石油先物市場に、投機マネーが流れ込んで、急に発生したように思われます。
そこへ、ハリケーン「カトリーナ」によってアメリカ南部の石油基地が被害を被り、実需にまで事態が波及したようです。どうやらこれは、単に市場価格を決めたというより、何か政治的な意図が係わっているのではないか、という論客も現れる始末で、今後の推移が注目されます。
ところで、日本はすでに2度も石油危機に見舞われましたが、その度に優れた省エネ技術を開発し、それを駆使して乗り越えてきました。今回も、ハイブリッドエンジンの実用化や、もっと高度な省エネ技術を開発し、脱石油化を推進することにより、災いも福に転じてゆくことを期待したいと思います。
原油価格の高騰により、現実には日本の石油輸入代金が、年間約5兆円膨らむのだそうですが、その半分近くは、思わぬ巨額の増収に沸く石油産出国が日本の製品を大量に購入することで相殺され、また、世界中の国の物価が押し上げられる結果、各国通貨の金利が上昇するため、海外における日本の金融資産220兆円の金利分で残り半分の相殺ができるので、日本の企業は活力を得て、オイルマネーの投資対象になるともいわれています。
2006年には、エム・システム技研は全社一丸となってこの好機に社業を伸ばすべく、世界的に競争力のある新製品群を開発し、アジア各国に市場を拡大してゆこうと考えています。
この辺りの事情も、この『エムエスツデー』に掲載して参りますので、今年も引き続きよろしくご愛読のほど、お願い申しあげます。