2006年11月号
エムエスツデー 2006年11月号

(株)日立製作所 電力グループ 日立事業所にて採用された、
エム・システム技研の SCADALINX とリモートI/O R3シリーズ
(株)エム・システム技研 システム技術部
(株)日立製作所 電力グループ 日立事業所は、明治43年に創立された日立製作所発祥の工場です。主要製品として、原子力、火力、水力事業用発電設備、一般産業向け電力機器、核融合装置、パワーデバイス製品を製作している工場で、敷地面積は602,000m2、従業員約4,300人が勤務する、日立製作所の中で最大の事業所です。
今回は、この日立事業所を訪問し、品質保証本部 電機品質保証部 発電機品質保証課の沢田 精一 様から、過日ご採用いただいたエム・システム技研のWebブラウザを利用するサーバ・クライアント形のHMIソフトウェアSCADALINX HMI(形式:SSDLX)とリモートI/O R3シリーズを使ったデータロガーシステムについてお話を伺いました。
[エム・システム技研、以下エムと略称]本システムの用途、ご導入の経緯についてお教えください。
[沢田]今回導入したシステムは、大形発電機の完成試験に際して電力を供給する電源設備の運転監視用として採用しました。今までにも他社の監視システムを採用したことはありましたが、イニシャルコストが高く、構築に際して専門的な知識が必要なソフトウェアだったため、メンテナンスができる人が限られていました。
そこで、新たに導入するシステムには、低価格で汎用性が高いデータロガーシステムを採用したいと考えてインターネットで検索していたところ、エム・システム技研のホームページ(https://www.m-system.co.jp/)でSCADALINXとリモートI/O R3シリーズのことを知り、汎用性が高く、さらに以前採用したシステムの半分以下のコストで実現できることがわかったので採用を決めました。
[エム]本システムの構成についてお教えください。
[沢田]計器室にサーバ用のパソコンを設置し、リモートI/O R3シリーズはQ棟電源室の盤内に設置しています。サーバパソコンで表示している画面については、業務用のLANを経由して2箇所の試験室にそれぞれ設置しているパソコンからまったく同じ画面の監視・操作ができるようになっています(図1)。
遠隔監視・遠隔操作を行うために別途専用のネットワークを敷設するのは大変な作業量とコストが伴いますが、このシステムでは、計器室と試験室にあらかじめ準備されている業務用のLANに接続するだけで、容易に遠隔監視・遠隔操作が可能です。
私どもの事業所では、業務用のLANを利用する場合に厳しい制限があり、リモートI/O などの機器を業務用のLANに接続することができません。そこで、サーバパソコンとリモートI/O 間の通信には監視システム用のLANを別に準備し、業務用のLANと完全に分離することによって、問題なく業務用のLANを使用しています。
[エム]システム構築はどのように行われましたか。
[沢田]過去に他社製の監視システムを構築した経験があったため、今回のSCADALINX 構築作業はすべて私どもで行いました。
SCADALINX を採用するのは初めてでしたが、エム・システム技研では採用するシステムに合わせた内容で個別に開催していただけるONJOBセミナーを準備されていましたから、事前に受講しました。SCADALINX 特有の設定や、リモートI/O R3シリーズの設定方法もセミナーでマスターしていたため、結果的に大変スムーズに構築を進めることができました。
[エム]実際にご採用いただいて、いかがでしょうか。
[沢田]感激したのは、今までに採用した同様のシステムの中で、運用開始までの構築期間が最短だったことです。
過去に他社製の監視システムを構築した経験があるからこそ言えますが、SCADALINX とリモートI/O R3シリーズ の組合せは大変扱いやすく汎用性が高いシステムです。機器が納入されてから1週間後には運用を開始することができました。
イニシャルコストについても、従来採用していたシステムの半分以下に抑えることができ、大幅なコストの削減を実現できました。
今回の採用がきっかけになり、今後もさらに3箇所の設備で導入・設置することを予定しています。
[エム]お忙しいところ、お話をお聞かせいただきありがとうございました。
本稿のシステムについての照会先
(株)エム・システム技研
システム技術部
TEL. 03-5783-0511
FAX. 03-5783-0757
*SCADALINX は、エム・システム技研の登録商標です。