2006年11月号
エムエスツデー 2006年11月号

少点数リモートI/O R7シリーズ
DeviceNet用(形式:R7D)、Modbus用(形式:R7M)
(株)エム・システム技研 開発部
は じ め に
エム・システム技研では、少点数 リモートI/O R7シリーズ をご提供しています。「CC-Link用 少点数入出力ユニット(形式:R7C)」注1)については、発売して間もないにもかかわらず、ご好評いただき、誠にありがたく思っています。
このたび、この R7シリーズ に「DeviceNet用 少点数入出力ユニット(形式:R7D)」と「Modbus用 少点数入出力ユニット(形式:R7M)」を新たに追加しましたので、ここにその特長と仕様の要点をご紹介します。
1.概 要
R7D は DeviceNetに、R7M はModbusに接続可能なリモートI/O です。それぞれ、供給電源注2)、通信および入出力の各ユニットが一体であり、分散して存在する入出力信号をDeviceNetまたはModbusを経由して効率よくPLCなどに取り込むことができます。
2.特 長
(1)小 形
基本ユニット:W115×H50×D54mm(図2)
増設ユニット:W94×H50×D54mm(図2)
(2)接点入出力の増設機能
基本ユニットに対して、増設用接点入力ユニットまたは増設用接点出力ユニットを接続することができます。このような構成によって、熱電対入力とともに接点入力を備えたユニットにしたり、アナログ出力とともに接点出力を備えたユニットにすることなどが容易に実現できます。
(3)2ピース端子台
基本ユニットの通信・供給電源用端子台注3)と入出力用端子台は2ピース構造で、メンテナンス性に優れています。
(4)設定が容易
パネル前面のロータリスイッチを使って局番と伝送速度を設定するだけで PLC などと接続できます(なお、PLC 側の設定は別途必要です)。
R7D では、さらに伝送速度の自動追従機能があり、PLCの通信速度を確認する必要はありません。
また、入力レンジや接続するセンサの形式については、パネル前面のディップスイッチで設定できるため、パソコンなどによる複雑な設定は必要ありません。
たとえば、4点の熱電対入力に同じ種類の熱電対を使用する場合には、ディップスイッチの操作だけで設定が可能です。
(5)複雑な用途にも対応
4点の熱電対入力に対し、異なる熱電対(4種類の熱電対)を用いる場合には、「コンフィギュレータ接続ケーブル(形式:MCN-CON)」と「コンフィギュレータソフトウェア(形式:R7CON)」注4)を用いることにより、パソコンによる設定が可能です。
同様に、直流電圧の入力レンジを各入力ごとに設定することも可能です。
たとえば、チャネル0をDC−10~+10V、チャネル1をDC−1~+1V、チャネル2をDC1~5V、チャネル3をDC4~20mAというように設定できます。
R7D では、ステータス注5)の有無をR7CON にて設定可能です。
(6)豊富な入力レンジ
直流電圧/電流入力ユニット(形式:R7□-SV4)では、直流電圧8種類、直流電流3種類の入力レンジを準備しています。ディップスイッチを操作するだけでレンジを変更できるため、多くの機種を準備する必要はありません。
3.製品の種類
表1に、R7D と R7M の製品の種類を示します。
表1 DeviceNet 用 R7D と Mobus 用 R7M の種類
DeviceNet用 R7D 形 式 |
Mobus用 R7M 形 式 |
点数 |
概 要 |
機 能 |
|
基 本 ユ ニ ッ ト |
R7D-SV4 | R7M-SV4 | 4 |
直流電圧/ 電流入力 |
DC−10~+10V、DC−5~+5V、 DC−1~+1V、 DC4~20mAなど |
R7D-TS4 | R7M-TS4 | 4 |
熱電対入力 | 熱電対(K、E、J、T、B、R、S、 C、N、U、L、Pなど) |
|
R7D-RS4 | R7M-RS4 | 4 |
測温抵抗体入力 | 測温抵抗体(Pt100、JPt100、 Pt50、Ni100など) |
|
R7D-DA16 | R7M-DA16 | 16 |
接点入力 | NPN、PNP共用 | |
R7D-DC16A | R7M-DC16A | 16 |
トランジスタ出力 | NPN出力 | |
R7D-DC16B | R7M-DC16B | 16 |
トランジスタ出力 | PNP出力 | |
R7D-YV2 (開発中) |
R7M-YV2 | 2 |
直流電圧出力 | DC−10~+10V、DC−5~+5V、 DC−1~+1V、 DC−0.5~+0.5Vなど |
|
R7D-YV2A (開発中) |
− |
2 |
外部電源供給形 直流電圧出力 |
DC−10~+10V、DC−5~+5V、 DC−1~+1V、 DC−0.5~+0.5Vなど |
|
R7D-YS2(開発中) | R7M-YS2 | 2 |
直流電流出力 | DC4~20mA | |
R7D-YS2A(開発中) | − |
2 |
外部電源供給形 直流電流出力 |
DC4~20mA | |
増 設 ユ ニ ッ ト |
R7D-EA16 | R7M-EA16 | 16 |
増設用接点入力 | NPN、PNP共用 |
R7D-EC16A | R7M-EC16A | 16 |
増設用 トランジスタ出力 |
NPN出力 | |
R7D-EC16B | R7M-EC16B | 16 |
増設用 トランジスタ出力 |
PNP出力 |
4.パネル図
図3に R7D の、図4に R7M の前面パネル図を示します。
お わ り に
今回ご紹介した機種以外についても、今後も入出力の種類の拡充に努めて参ります。ご意見やご要望など、お気軽にエム・システム技研のホットラインまでお寄せください。
注1)R7C については、『エムエスツデー』
2006年7月号でご紹介しています。
注2)R7D はネットワーク電源で動作するた
め、ユニットごとの供給電源は必要としません。
注3)通信・供給電源用端子台については、 R7D ではコネクタ形構造、R7M ではM3ネジ端子接続形構造です。
注4)R7CON については、エム・システム
技研のホームページ(https://www.m-system.co.jp/)からダウンロードできます。
注5)ステータスはバーンアウトや入力範囲
異常などを示します。