2008年1月号
エムエスツデー 2008年1月号

少点数リモートI/O R7シリーズ
LONWORKS用 少点数入出力ユニット(形式:R7L)
(株)エム・システム技研 開発部
は じ め に
エム・システム技研では、少点数リモートI/O R7シリーズとしてCC-Link 用少点数入出力ユニット(形式:R7C)注1)、Modbus 用少点数入出力ユニット(形式:R7M)注2)、DeviceNet 用少点数入出力ユニット(形式:R7D)注2)をすでにご提供しています。
今回は、新たに「LONWORKS用 少点数入出力ユニット(形式:R7L)」を追加したので、ここにその特長と仕様の要点をご紹介します。
1.概 要
R7Lは、LONWORKSに接続できるリモートI/Oです。供給電源、通信および入出力が一体になっていて、小形(W115×H50×D54mm)であるため、機器に組み込みやすい製品です。
入出力は接点信号で、点数は入出力接点それぞれ8点、入力16点、出力16点の3種類を用意し、積算機能や接点の状態比較などの機能ももっています。
2.特 長
(1)小 形
基本ユニット:W115×H50×D54mm(図2)
(2)2ピース端子台
基本ユニットの通信・供給電源用端子台と入出力用端子台は2ピース構造で、すべての配線を外すことなく端子台単位で交換できるため、メンテナンス性に優れています。
(3)接点入出力および様々な機能ブロック
接点入力の状態をLONWORKSのネットワークに伝送したり、逆に伝送された状態を接点出力に出力する機能を有するほか、下記の諸機能もご使用いただけます。
・2つの接点出力を一組としたワンショット出力(図3)
ビル空調においては、室外機の制御に運転信号、停止信号としてワンショット出力が使われています。この用途にご使用いただけるよう、ワンショット出力機能を用意しました。
・2つの接点入力を一組としたRSフリップフロップ 注3)機能
運転信号、停止信号がワンショットで送られてくる場合、運転中か停止状態かを判別できるよう、RSフリップフロップまたはそれに類似した機能をもつ機器が使われますが、R7Lでは接点入力にその機能を備えました。
・接点入力のONの回数と時間を積算する機能
一定時間おきに接点の状態をチェックし、OFFからONの状態に変化した回数や、ONの状態になっている時間の総計をカウントする機能をもっています。時間のカウントは1秒単位で行い、回数、時間とも同時に最大10,000,000,000(100億回)までカウントできます。
・接点状態の比較機能
2つの接点の入力の比較を行い、一致している場合、出力はOFF、不一致の場合はONにする機能があります。
・4接点入力、1接点出力のルックアップテーブル機能
4入力のON、OFFの状態の組み合わせ計16状態それぞれに接点出力のON、OFFを定義することで、4接点入力の状態から接点出力の状態を自由に決めることができます。
各機能の定義ファイルについては、エム・システム技研のホームページのダウンロードメニューに追加する予定です。
3.製品の種類
表1にR7Lの製品の種類を示します。
表1 LON0WORKS用 R7Lの種類
形 式 | 点数 | 概 要 | 機 能 |
R7L-DA16 | 16 | 接点入力 | NPN、PNP共用 |
R7L-DC16A | 16 | トランジスタ出力 | NPN出力 |
R7L-DC16B | 16 | トランジスタ出力 | PNP出力 |
R7L-DAC16 | 8/8 | 接点入力/接点出力 | NPN入力/NPN出力 |
4.前面パネル(図4)
(1)状態表示LED
・PWR:内部5V正常時点灯(緑色LED)
・ONLINE:R7Lがオンライン時(ネットワーク変数の伝送を行う状態)点灯(緑色LED)
・ERR:EEPROMのチェックサムエラーなどの異常時点灯(赤色LED)
・SVCE :ネットワーク情報がない状態時点灯(緑色LED)
・TX/RX:ネットワーク変数データ通信時点灯(緑色LED)
(2)サービススイッチ
デバイス設定時に使用
(3)リセットスイッチ
LONWORKSインタフェースをリセットします。
(4)接点入出力状態表示LED
接点入出力の状態表示(赤色LED)
(5)端子台1
LONWORKS、供給電源端子台
(6)端子台2
入出力用端子台
お わ り に
エム・システム技研では、今回ご紹介したR7L(LONWORKS対応)について、今後入出力の種類の拡充に努めて参ります。また、他のフィールドバスに対応する機種の開発も進めています。
ご意見やご要望などをお持ちの方は、ご遠慮なくエム・システム技研のホットラインまでお寄せください。
注1)R7Cについては、『エムエスツデー』2006年7月号でご紹介しています。
注2)R7D、R7Mについては、『エムエスツデー』2006年11月号でご紹介しています。
注3)RSフリップフロップ :リセット(R)、セット(S)の2つの信号で1ビットの情報を保持することができる回路。