2008年12月号
エムエスツデー 2008年11月号

HMI統合パッケージソフトウェア
SCADALINXproのWebロガー対応について
今回は、複数台のWebロガー(形式:TL2□)を使用した集中監視システムの構築が可能になったHMI統合パッケージソフトウェアSCADALINXpro(形式:SSPRO4)についてご紹介します。
はじめに、「Webロガー」について簡単にご説明します。Webロガーは、計測信号を現場で直接収集して入力し、そこで蓄積したデータをインターネットを利用して伝送する現場設置形Web対応データロガーであり、関連する主な機能としては次の3つが挙げられます。
(1) 収集・蓄積した現場データをパソコンのWebブラウザにて監視
(2) 入力データを監視し、異常メッセージをEメールにてパソコンや携帯に送信
(3) 蓄積したデータをFTPにてパソコンへファイル転送
Webロガーのアプリケーション例としては、マンホールポンプの集中監視や水道端末における水質の集中監視など様々な分野で多くの実績があり、たくさんのお客様にご愛用いただいています。
パソコンを利用してWebロガーを遠隔監視する場合、インターネット網を介してブラウザからWebロガーのIPアドレスを指定して接続します。
Webロガーとパソコンを1:1で使用する場合には、そのままWebブラウザの機能を使って監視できます。しかし、たとえば、マンホールポンプの遠隔監視のように各地に分散して複数台のWebロガーが設置されている場合には、ブラウザを複数立ち上げるか接続を切り替える必要があります。
一方、同一グラフィック画面上で複数のWebロガーの情報を一括監視したいというご要望や、複数の現場データを収集して一元化した帳票を作成したいなどのご要望があります。
これらを実現するためには、今までは、Visual BasicやC言語を使用してユーザーサイドでのアプリケーションソフトウェアの作成が必要でしたが、今回、エム・システム技研のHMIソフトウェアSCADALINXproで一括監視することができるようになりました(図1参照)。
SCADALINXproの場合、Webロガーの瞬時値データ・履歴(異常・運転・システム)データ・履歴トレンドデータ・レポート(日報・月報・年報)をテレコンポーネントライブラリ(形式:TL2COM)注1)を使用しTL2 Serverで取得します。TL2 ServerとSCADALINXpro Serverの連携は「TL2Linx」注2)が行い、SCADALINXpro Serverへ連携されたデータをSCADALINXpro Browserで監視できます。TL2Linxでは、TL2 Sever対応のTL2COMインタフェースとSCADALINXpro Server対応のIPLinkインタフェース注3)を使用しています。
Webロガーを使って集中監視することにより、各現場にデータ蓄積機能をもたせたまま集中監視できるというメリットがあります。
上記のTL2Linxを使用することで、エム・システム技研のHMIソフトウェアSCADALINXproの機能がそのまま使えます。Webロガー接続のサンプルプログラムも用意していますので、必要な場合は別途お問い合わせください。
本稿についての照会先:
(株)エム・システム技研
カスタマセンター システム技術グループTEL:06-6659-8200
注1)TL2COM:Visual Basicに対応したコンポーネントライブラリソフトウェアと通信サーバ(TL2 Server)で構成されています。
注2)TL2Linx:エム・システム技研がWebロガーとSCADALINXproを接続するために開発したアプリケーションソフトウェアで、SCADALINXproの付属品として提供しています。
注3)IPLink:SCADALINXpro独自のTCP/IPベースのネットワークプロトコルで、SCADALINXproの機能の一つとして提供しています。
*SCADALINXproは(株)エム・システム技研が出願中の商標です。
【(株)エム・システム技研カスタマセンター システム技術グループ】