2009年10月号
エムエスツデー 2009年10月号

超薄形変換器M6シリーズ
デジタル式演算器、ホールド変換器
(株)エム・システム技研 開発部
は じ め に
エム・システム技研では、これまでユーロ端子接続形超薄形変換器「M6Dシリーズ」、ねじ端子接続形超薄形変換器「M6Nシリーズ」およびスプリング式端子接続形超薄形変換器「M6Sシリーズ」をご提供し、ユーザー各位から大変ご好評をいただいています。このM6シリーズの中で、PCによるコンフィギュレーションが可能なPCスペック形変換器のラインアップに、デジタル式演算器(形式:M6□XF1)注1) 、デジタル式2入力演算器(形式:M6□XF2)注1)、ホールド変換器(形式:M6□XF3)注1)の3種類、計9機種を新規に加えましたので、ここにご紹介します。
1.外 観
図1はユーロ端子接続形超薄形変換器「M6Dシリーズ」に共通の外観です。黒色のケースは難燃性黒色樹脂製であり、デザインもスタイリッシュです。本体の前面には、電源表示ランプ、状態表示ランプ、コンフィギュレータ接続用ジャックを配置しています。また、PCスペック形であるため、シンプルでありながら多彩な設定項目と使いやすい操作性を実現しています。
このユーロ端子接続形超薄形変換器「M6Dシリーズ」とスプリング式端子接続形超薄形変換器「M6Sシリーズ」は横幅が5.9mm、ねじ端子接続形超薄形変換器「M6Nシリーズ」は同じく7.5mmと、いずれも非常に薄く、盤内のわずかな隙間にも設置できる省スペース設計です。
2.共通の機能
直流電圧/電流入出力が組み合わせ自由な、入・出力および電源間の3ポート絶縁です。供給電源はDC24V 0.5Wに抑えられていて、1台ずつDINレールに取り付けて使用することもできますし、複数台を並べる場合はベース(形式:M6□BS)に電源カード(形式:M6□PS1、M6□PS2)1台を組み合わせて、電源カードから電源を一括供給することも可能であり大変便利です。入出力の設定および各種演算機能については、M6シリーズ専用のコンフィギュレータソフトウェア(形式:M6CFG)注2)を使って設定変更できるため共用可能になり、保守用品としての台数を少なくできる点でも優れています。
3.M6□XF1の演算機能
デジタル式演算器(M6□XF1)の演算機能を表1に示します。演算機能としては、各種フィルタ(時間関数演算)、リニアライザ(関数演算)、リミッタの各機能を組合せて設定することが可能です。
表1 デジタル式演算器(M6□XF1)の演算機能
4.M6□XF2の演算機能
デジタル式2入力演算器(M6□XF2)の演算機能を表2に示します。2入力の四則演算、温度補正演算、圧力補正演算を行う数値演算変換器としてだけでなく、信号の大小を比較選択する選択変換器としてもご使用いただけます。
表2 デジタル式2入力演算器(M6□XF2)の演算機能
5.M6□XF3の演算機能
ホールド変換器(形式:M6□XF3)の演算機能を表3に示します。外部接点信号の指令を受けて信号を保持するアナログメモリまたはピークホルダとしてご使用いただけます。
表3 ホールド変換器(形式:M6□XF3)の演算機能
おわりに
今回ご紹介したPCスペック形のデジタル式演算器とホールド変換器は、1つの機器において多種類の入力信号、出力信号、演算機能、パラメータが自由に設定できます。もちろん、多彩なコンフィギュレーション情報は、ファイルへの保存・読み出し・機器への書き込みが簡単に行えるため、保守・メンテナンス上でも有効です。また、従来複雑であった設定操作についてもPC画面を見て確認しながら容易に設定できるため、使い勝手が一段と向上しています。
今後も、便利で使い易い製品の開発に努めて参ります。ご要望、ご意見がありましたら、お気軽にエム・システム技研のホットラインまでお聞かせください。
注1)文中の「□」には、端子接続形状を表す“D”“N”“S”が入ります。
注2)コンフィギュレータソフトウェアは、エム・システム技研のホームページ(https://www.m-system.co.jp/)から無償でダウンロードしていただけます。なお、変換器とPCとの接続には、専用のコンフィギュレータ接続ケーブル(形式:MCN-CON(9ピン、Dサブコネクタ接続)または形式:COP-US(USB接続))が必要です。