エムエスツデー 2005年11月号

チャートレス記録計による冷凍倉庫の温度監視
今回は、PCレコーダのファミリのひとつであるチャートレス記録計が、冷凍倉庫の温度監視に採用された例をご紹介します。
このシステムをご採用いただいたお客様では、冷凍倉庫の温度管理に従来の記録紙式記録計を設置しておられました。各倉庫ごとに設置されていたため台数が多く、毎日のようにどこかの冷凍倉庫の記録計でインクの詰まりやインク切れ、紙詰まりや紙切れなどがあり、日々の記録計のメンテナンスに大変苦労されていました。
そこで記録計をペーパーレスタイプに更新することになりましたが、可能な限り既設の盤や温度センサ(熱電対)はそのまま使用したいというご要望があり、エム・システム技研のチャートレス記録計本体(形式:75ET)と、入力ユニットとしてリモートI/O(形式:R1MS-GH3)をご採用いただきました。
今回ご採用いただいたチャートレス記録計本体75ETには、計装盤における従来一般の記録紙式記録計の取付け開口(288mm角)をそのまま利用できる専用のアダプタ(形式:A-75)が準備されています。したがって、既設盤の記録計取付開口に、特別な加工をせずに取り付けることができました。また、信号入力ユニットには、コンパクトで安価なリモートI/Oをご採用いただき、既設の熱電対からの信号をそのまま入力することができました。
従来、記録紙式記録計でチャート紙に書かれていたデータは、チャートレス記録計では本体に差し込まれたコンパクトフラッシュに記録されます。紙を使わないため、紙切れや紙詰まり、インク切れやインクの詰まりを心配する必要がまったくありません。つまり、メンテナンスが不要になりメンテナンス用品購入費や人件費などのランニングコストが一切かからなくなりました。
さらに、チャートレス記録計の本体にはEthernet接続用のコネクタがあり、構内LANを経由して事務所などに置かれたパソコンからチャートレス記録計にアクセスすることも可能です。したがって、チャートレス記録計に付属のPCレコーダソフト(MSR128-V4)を起動すれば、チャートレス記録計における同様の記録画面をパソコンに表示し、事務所にいながら現在の状況を確認することができます。また、チャートレス記録計に蓄積されたデータを利用する際も、構内LAN経由でデータをアップロードし、事務所のパソコンで解析することが可能になります。
【(株)エム・システム技研 システム技術部】