エムエスツデー 2006年5月号

Interface & Network News 2
No.1

SCADALINX HMIのアプリケーション(1)
− MsysNetシステムの増設とSFDNのリプレース −

 今月から、エム・システム技研の新製品、ならびにそれらのアプリケーションに関連する話題をテーマにした、「Interface&Network News 2」の連載を開始します。

 今回は、既設のMsysNetシステムの増設と、「監視 操作用ソフト(形式:SFDN」のリプレースを目的として、「SCADALINX HMI(形式:SSDLX)」を導入した例をご紹介します。

システム改造の目的と内容

 既設のシステムは、中規模なプラントの監視・制御を目的として、SFDN MsysNet 機器を搭載したPCとから構成されていました。このシステムにおいて、監視対象設備の拡張に伴い数十点の監視ループを増設する必要が生じました。また、SFDN を搭載しているPCも、使用を開始して以来数年が経過したために、近い将来には交換する必要があります。そこで今回、これらを目的としてリモートI/O 装置(R3シリーズ)の追加と、SSDLX を搭載したPCの増設を行いました。既設システム、および改造範囲を図1のシステム構成図に示します。

図1 システム構成図

改造工事の要求事項と対応方法

 今回のシステム改造工事において条件になった主な要求事項とその対応方法を以下に示します。

 (1)増設する SSDLX は、既設プロセス、および増設する監視ループの双方(すなわち、拡張したプロセス全体)をカバーする:

 SSDLX には、「プロジェクトコンバータ」というビルダーソフトが備わっており、これを用いることにより、SFDN のプロジェクト(ソフトウェアの設定内容)を SSDLX 用のプロジェクトに変換することができます(ただし、ユーザーグラフィックおよび帳票を除く)。

 今回の工事では、既設分の SFDN プロジェクトをプロジェクトコンバータにより変換し、これに増設分の監視ループ用のソフトを追加することで、短時間で SSDLX のソフトを構築することができました。

 (2)既設のプロセスはシステムの改造工事中も運転を続ける(システムは停止できない):

 増設PCをネットワークに加入させる際に、PCと MsysNet 機器の通信が瞬断しましたが、その間も制御は停止することがありませんでした。

 (3)SSDLX の増設後も当分の間は SFDN を併用し、将来は撤去する:

 SSDLX SFDN はI/O機器(MsysNet 機器)を共用しながら、同一ネットワークで並列運転することが可能であるため、当面SFDNとSSDLXを併設していただくことにしました。

 以上のように、工事はスムーズに進行し、現在、システムは順調に稼働しています。

MsysNetSCADALINX は、エム・システム技研の登録商標です。

【(株)エム・システム技研 システム技術部】


ページトップへ戻る