エムエスツデー 2006年10月号

監視 操作ソフトSFDNのリプレース
(ハードウェア編)
既設システムの監視 操作ソフト(形式:SFDN)をSCADALINX HMI(形式:SSDLX)へリプレースする方法について、ハードウェア編とソフトウェア編の2回に分けてご紹介します。
今回は、まずハードウェア編です。
システムのネットワーク構成
MsysNetシステムのネットワークは、NestBus という下位レベルの基本 Bus と RS-485 を使用した M-Bus、またはイーサネットを使用した L-Bus という上位 Bus から構成されています。
NestBusは機器を16台まで接続できます。小規模システムであれば、上位の監視 操作ソフト(SFDN)もこの NestBus に接続してシステムを構築します。しかし、機器が16台を超えるシステムでは上位 Bus(L-Bus)を使用してシステムを構築します。
従来製品の SFDN は、これら3つのすべてのBusに接続可能でしたが、現在リリースされている SCADALINX HMI はL-Busだけに対応しています。したがって、NestBus や M-Bus で構成された既設システムで SFDN を SCADALINX HMI にリプレースする場合は、ネットワークをL-Busに変換してシステムを構築する必要があります。
リプレース方法
(1)ネットワークが、NestBusだけで構成されたシステムの場合
SFDN の場合は、RS-232-C でつないだ通信レベル変換器(形式:LK1)を介してNestBus を接続していましたが、SCADALINX HMI の場合は、L-Busでつないだ通信ユニット(形式:72LB-NB)を介してNestBusに接続します。したがって、LK1は72LBに交換する必要があります(図1参照)。
(2)ネットワークがNestBusとM-Busで構成されたシステムの場合
SFDN の場合は、RS-232-Cでつないだコンピュータインタフェース(形式:DLC2)を介してM-Busに接続していましたが、SCADALINX HMI の場合はイーサネットで直接L-Busに接続します。したがってDLC2は不要となり、M-Bus用 通信ユニット(形式:SMLM)または通信カード(形式:18LM)は72LB と交換する必要があります(図2参照)。
リモート入出力ユニット(形式:DLA2)やアスキーインタフェース(形式:DLF2)などM-Bus専用機器を使用したシステムの場合は、L-Busを使用することができません。それらに関しては、今後発売するSCADALINX HMI Ver.3 以降で対応する予定です。
以上のようにいくつかの注意点はありますが、ほとんどのシステムで SFDN を SCADALINX HMI へリプレースすることが可能です。また、SCADALINX HMI と SFDN は、並列運転することもできます。アラームログやトレンドログなど、ある一定の並列運転期間ののちに SCADALINX HMI へ完全移行するなど、運転環境に合わせたリプレースの方法をご選択ください。
次回は、ソフトウェアについて説明します。
*MsysNet、SCADALINX は、エム・システム技研の登録商標です。
【(株)エム・システム技研 システム技術部】