エムエスツデー 2015年4月号

モバイルパソコンやタブレットも採用した監視システムに更新
兵庫県加西市の配水池管理・監視に採用された
テレメータD3シリーズとSCADALINXpro®
(株)エム・システム技研 システム技術グループ
今回は兵庫県加西市の加西市役所を訪問し、配水池の管理・監視のために採用されたテレメータD3シリーズとHMI統合パッケージソフトウェア「SCADALINXpro®」について、生活環境部の中島 進 様および山下 寛修 様にお話を伺いました。
専用機の老朽化に伴い汎用品を検討
[エム・システム技研、以下エムと略称]エム・システム技研の監視システムをご導入いただいた経緯についてお教えください。
[中島様]以前は重電メーカー製のDCSを中心とする監視システムで約25年間運用を行ってきましたが、構成機器の老朽化に伴いシステムの更新を検討していたところ、設備点検の業者からエム・システム技研製のテレメータと監視システムをご紹介いただきました。
[山下様]以前のシステムは各種の専用機で構成されており、修繕についてもコストが高いものであったため、できる限り汎用品で運用するようにしたかったことも導入条件の一つでした。
更新前はブラウン管による監視画面を運用していましたが、更新後は液晶モニタに変更し、随分とすっきりしました。
テレメータ盤も4面から2面になり、盤の大きさも横幅、奥行き共にかなりコンパクトになりました。
テレメータとSCADAソフトを使用したシステム
[エム]ご導入いただいたシステムの概要や構成についてお教えください。
[山下様]加西市には浄水場がなく、水を買って売っている自治体であるため、自治体による監視が不可欠であり、点在する各配水池の流量、ポンプ室の状態を監視、管理しています。各配水池、ポンプ室からの信号を専用回線テレメータ(D3シリーズ)にて管理室(親局側)へ伝送し、親局側では、それぞれの子局から送られてきたデータを上位通信カードを使い、オープンネットワークCC-Linkを介して、PLCへ伝送します。
そして、PLCからの信号をSCADALINXpro®にて受け取り、管理・監視を行っています。また、PLC、SCADALINXpro®のサーバはいずれも2重化して運用しています。
[エム]システム導入時にご苦労なさった点はありますか。
[山下様]監視画面については一新するため、以前のシステムと同じことができれば問題ありませんでしたが、盤の更新については、新設盤をまず設置し、既設のテレメータを1局ずつ変更する手法をとったため、手間がかかりました。
監視システム構成図 [拡大図]
運用されてみていかがでしょうか?
[山下様]監視システムは汎用OSのWindowsであるため、以前の専用機と違って使い勝手が大幅に良くなりました。
以前の設備では受配水量など各種のデータをExcelなどのファイルに変換することができず、簡単な資料を作成することも難しかったのですが、SCADALINXpro®ではデータベースをExcelファイルで取り出してデータ運用できるため、資料作成も極めて容易になりました。
モバイルパソコンやタブレットも採用
[山下様]モバイルパソコンによる運用も行っており、点検などで現場に出ていても携帯電話回線(FOMA)やWi-Fiを利用して、SCADALINXpro®サーバに接続して監視状況や過去データなどの情報を確認できるようになったことも、運用上大きなメリットになりました。
また、タブレット(Windowsベース)にもSCADALINXpro®がインストールされていて、タブレットによる運用も行っています。
なお、アラーム(イベント)履歴画面を導入時には自動更新ができていなかったため、以前使用した運用方法に合わせるかたちで自動更新できるように最近変更しました。
[エム]本日はお忙しい中をありがとうございました。今後ともエム・システム技研をよろしくお願いします。
加西市のご紹介
兵庫県の南部に位置する、播磨平野のほぼ中央に位置する市です。東は小野市および加東市に、西は姫路市および福崎町に、南は加古川市に、そして北は西脇市、多可町および市川町にそれぞれ隣接しています。
1967年4月1日に北条町、泉町、加西町の3町は“加西郡は一つ”という理念のもとに合併し、現在の加西市が誕生し、県下で21番目に市制を施行しました。
兵庫県立フラワーセンターを有する緑豊かな市で、姫路のベッドタウンにもなっています。
丸山総合公園にはギネス認定の世界一大きい地球儀時計があり、国内最南端のコハクチョウ越冬地で、例年11月末〜3月頃にはコハクチョウの群れが飛来し、地元住民やカメラマンを楽しませています。
また、1300年前につくられた播磨国風土記が有名で、加西市は“賀毛の里”として登場します。今年(2015年)は、1300年祭ということで、5月に「加西市播磨国風土記1300年祭」という市を挙げての大きなイベントが開催されます。
本システムについての照会先:
(株)エム・システム技研
カスタマセンター システム技術グループ
TEL:06-6659-8200
FAX:06-6659-8510