エムエスツデー 2009年2月号

リモートI/O R7シリーズの
UL認定機種
少点数リモートI/O R7シリーズ(図1)は、発売開始以来、少数の入出力信号が分散して存在している現場に効率的に適用できるために広くご好評をいただいています。接続可能なフィールドネットワークの種類については、発売当初はCC-Link用(形式:R7C)、DeviceNet用(形式:R7D)およびModbus用(形式:R7M)の3種類でしたが、LONWORKS 用(形式:R7L)およびMECHATROLINK-I/II用(形式:R7ML)を追加し、さらにこのほどModbus/TCP(Ethernet)用(形式:R7E)を追加しました注1)。
入出力信号の種類についても、発売当初からあった直流入出力、熱電対入力、測温抵抗体入力および接点入出力に対して、その後ポテンショメータ入力やエム・システム技研のクランプ式交流電流センサ(形式:CLSE)入力が加わり、拡充を続けています。
また、輸出案件に関して必要になる場合が多い海外規格への適合に関しても、R7C、R7DおよびR7Mの各シリーズは、すでにEUのCEマーキング注2)の一つである電磁両立性(EMC)指令に適合していましたが、このほど、米国の安全認証機関であるUL(Underwriters Laboratory)から一般安全およびノンインセンディブ(Nonincendive)規格への適合認証を受けました注3)。認証対象となった機種を表1に、適合規格の一覧を表2に示します。
表1 UL適合認証を受けた機種の一覧
入出力の種類 |
CC-Link対応 | DeviceNet対応 |
Modbus対応 |
|
基 本 ユ ニ ッ ト |
接点入力16点 | |||
接点マイナスコモントランジスタ(NPN)出力16点 | ||||
接点プラスコモントランジスタ(PNP)出力16点 | ||||
直流電圧/電流入力4点(10V/20mA) | ||||
熱電対入力4点 | ||||
測温抵抗体入力4点 | ||||
直流電圧出力2点 | ||||
外部電源供給形直流電圧出力2点 | − |
− |
||
直流電流出力2点 | ||||
外部電源供給形直流電流出力2点 | − |
− |
||
増 設 ユ ニ ッ ト |
増設用接点入力8点 | |||
増設用接点入力16点 | ||||
増設用マイナスコモントランジスタ(NPN)出力8点 | ||||
増設用マイナスコモントランジスタ(NPN)出力16点 | ||||
増設用プラスコモントランジスタ(PNP)出力8点 | ||||
増設用プラスコモントランジスタ(PNP)出力16点 |
表2 適合規格の一覧
種 類 |
規格番号 |
計測器、制御機器、研究室用機器に対する 一般安全要求事項 |
UL61010-1(米国) CAN/CSA 22.2 No. 61010-1(カナダ) |
ノンインセンディブ | ANSI/ISA 12.12.01(米国) CAN/CSA 22.2 No. 213(カナダ) |
ノンインセンディブとは、米国およびカナダで採用されている防爆規格の一種で、Class I(爆発性のガスまたは蒸気の雰囲気)においては、Division 2に区分される危険場所で使用可能です。Division 2とは、爆発性雰囲気が異常時にのみ存在するか、短期間しか存在しないような場所ですが、防爆電気機器が必要とされる危険場所の多くは、これに分類されています。したがって防爆認定を必要とするアプリケーションの多くは、ノンインセンディブで十分といわれています。
冒頭で述べたような条件に当てはまる、すなわち少数の入出力信号が分散して存在する現場に適用する海外向けリモートI/Oがご入り用の場合には、ぜひR7シリーズをご検討願います。なお、エム・システム技研では、今後もR7シリーズの拡充および海外規格への適合を進めていく予定であり、ご意見・ご要望がございましたら、お気軽にホットラインまでお寄せください。
注1)CC-Link対応機種については『エムエスツデー』誌2006年7月号、DeviceNetおよびModbus対応機種については同2006年11月号、LONWORKS対応機種については同2008年1月号、MECHATROLINK-I/II 対応機種については同2008年9月号、Modbus/TCP対応機種については今月号(2009年2月号)をそれぞれご参照ください。また、MECHATROLINK-II の詳細については同2008年12月号の「計装豆知識」をご参照ください。
注2)CEマーキングについては『エムエスツデー』誌2005年5月号の「計装豆知識」をご参照ください。
注3)Nonincendiveの詳細については『エムエスツデー』誌2009年1月号の「計装豆知識」をご参照ください。
【(株)エム・システム技研 開発部】