エムエスツデー 2005年11月号

持ち運びに便利な電流信号発生器 
      携帯形電流信号発生器(形式:C-HCL-A)
    (株)エム・システム技研 開発部
は じ め に
 
    エム・システム技研は、変換器をはじめ、様々な製品を製造販売していますが、今回は変換器の動作確認(ループチェック)に便利な新製品、携帯形電流信号発生器(形式:C-HCL-A、図1)の主な仕様と特徴および使用例についてご紹介します。
1.主な仕様と特徴
携帯形電流信号発生器C-HCL-Aは、計装システムやプラントなどのメンテナンス、検査・試験に際して、DC4~20mAの電流ループのチェックを行うための携帯形電流信号発生器です。現場の伝送器の代わりに模擬信号を発生し、受信側でシミュレーションが行えます注1)。C-HCL-Aの主な仕様を表1に示します。C-HCL-Aの大きさは幅60、高さ100、奥行き23mmであり、携帯電話と同じくらいです(図2)。
表1 携帯形電流信号発生器(形式:C-HCL-A)の主な仕様
| 2線式モード | |
| 最大入力電圧 | 公称DC 24 V(DC 28 V以下) | 
| 4線式モード | |
| 許容負荷抵抗 | 750Ω | 
| 出力端子間 最大電圧 | DC 21.5 V±0.5 V | 
| 共 通 | |
| VR出力範囲 | アナログ調整ボリュームにてDC 0~24mAを出力設定可能 | 
| 固定出力 | 固定値/VR出力切換スイッチにて 4、12、20 mAの固定出力を設定可能 | 
| 供給電源 | アルカリ単3乾電池 2本(連続 約7時間使用可能) | 
| 寸 法 | W60×H100×D23mm | 
| 質 量 | 約70g(本体のみ、電池含まず) | 
| 使用形態 | 据置用スタンド、ストラップ(別売り)取付穴 | 

 電源は単3形乾電池2本で動作するため、手軽に持ち運べます。また、ストラップフォルダを設けています。現場にストラップで吊り下げて仮設することが可能です注2)。
        単3形乾電池2本で、連続約7時間使用できます(負荷抵抗750Ω、12mA出力、新品アルカリ単3形乾電池)。 
出力信号は2線式と4線式に対応できます。また、4、12、20mAの固定出力ならびにボリューム設定による0~24mAの間の任意電流値の出力が可能です。
2線式と4線式について簡単に説明します
 (1)2線式モード
       2線式では、信号変換器の電源電流が出力信号となる2線式変換器の模擬信号を出力します。本器は、DC28Vまでの外部ループ電源を受けて電流信号を出力します。 
(2)4線式モード 
       4線式では、4線式変換器の出力信号のように定電流信号を出力します。 
なお、モニタ端子にテスタなどを接続すれば、本器の出力信号をモニタできます。
2.使用方法
超小形2線式端子台形直流入力変換器(形式:B5VS)と超小形端子台形ディストリビュータ(形式:M5DY)および直流入力デジタルパネルメータ(形式:46DV)を接続したループ(図3)をC-HCL-Aでチェックする場合の使用方法を説明します(C-HCL-Aのスイッチ端子などの位置については、図2を参照してください)。
(1)2線式伝送器の出力ループチェック
       2線式モードに設定すると、ディストリビュータからの電源線に電流信号を発生するため、2線式伝送器(B5VS)の出力信号を模擬出力できます。
 1. C-HCL-Aにテストクリップを接続し、「2線式/4線式切替スイッチ」を「2wire loop」に設定します。  
       2. 「固定値/VR切換スイッチ」を使い、「4、12、20mAまたは0~24mA可変」を選択することによって出力電流値を設定します。  
       3. 図4に示すように、B5VSの代わりにC-HCL-AをM5DYの入力端子に接続します。
         C-HCL-Aの電源を「ON」にし、46DVに表示される値を確認することによって、2線式伝送器のループを確認できます。

 
 
 (2)4線式変換器の出力ループチェック
       4線式モードに設定すると、独自電源によって電流信号を発生しますから4線式変換器(M5DY)力信号を模擬出力できます。 
 1. C-HCL-Aにテストクリップを接続し、「2線式/4線式切替スイッチ」を「4-wire」に設定します。
       2.「固定値/VR切換スイッチ」を使い、「4、12、20mAまたは0~24mA可変」を選択することによって出力電流値を設定します。
       3. 図5に示すように、M5DYの代わりにC-HCL-Aを46DVの入力端子に接続します。 
       4.C-HCL-Aの電源を「ON」にし、46DVに表示される値を確認することによって4線式のDC4~20mAのループを確認できます。  
(3)モニタモード モニタ切換スイッチをSからMに切換えます。 図6に示すように、C-HCL-Aのモニタ端子にテスタを接続すると模擬信号の電流値をテスタで確認できます。

 
 
お わ り に
以上、新製品である携帯形電流信号発生器C-HCL-Aについてご紹介しました。なお、さらに詳細についてお知りになりたい場合は、エム・システム技研ホットラインまでお問い合せください。
注1)本器は安定した定電流出力機能を有し ていますが、精密測定器の校正や調整の用途には適していません。そのような場合には、ご使用条件に合う信号発生器を別途ご選定ください。
        注2)ストラップはお客様にてご用意くださ い。ストラップをご購入になる場合は、金属部が露出していないものをお買い求めください。 

















