エムエスツデー 2006年2月号

MSRproに新登場する
帳票作成ソフトウェア「MSRpro-Report」
(株)エム・システム技研 開発部
は じ め に
エム・システム技研では、2048チャネル対応クライアント/サーバ形PCレコーダソフトウェア「MSRpro(エムエスアールプロ)」(形式:MSR2K)注)を過日発売開始し、お客様からご好評をいただいています。
その「MSRpro」に、「帳票作成ソフトウェア」を新しく追加することになりましたので、ここにご紹介します。
1.概 要
帳票作成ソフトウェア「MSRpro-Report」は、MSRproのサーバソフトウェアが収録したデータを使用して、日報、月報、年報の各種帳票を自動作成するソフトウェアです。
図1にMSRproの構成図を示します。
データ収録は、これまでのMSRproと同様にサーバで行い、データ表示はクライアントで行います。データ表示用のクライアントの一つとして、帳票作成ソフトウェアをご用意します。
2.特 長
MSRpro-Reportは、クライアントとして動作するため、次の特長があります。
(1)複数のクライアントでMSRpro-Reportを動作させ、サーバから必要なデータを収集して帳票を作成します。
(2)各クライアントは、サーバから収集したデータをクライアント独自の帳票データとして保存できます。これは、データのバックアップ機能になります。
3.主な仕様
• 収集種別
帳票に印刷されるデータの種類は、平均値、最大値、最小値、積算差分、瞬時値から選択してペン毎に設定します。
帳票の1ページには16ペン分が設定でき、最大128ページが作成できます。
• 自動帳票出力
毎日、指定した時刻に自動的に帳票を作成し印刷します。帳票形式に演算されたデータはCSV形式でファイルに自動出力することもできます。したがって、毎日その日のデータを集計する場合や無人施設などでもご利用いただけます。
• 手動帳票出力
MSRproサーバに収録されている過去のデータから任意の時間に印刷またはCSVファイル出力を行うことができます。データ表示用画面で、一般的な資料の印刷と同様に、印刷用ボタンを押して出力します。
• データ保持期間
サーバが収録してHDDに保存しているデータについては、すべて帳票の作成が可能です。つまり、データの保持期間は、収録データの保持期間と同じです。
帳票作成後、帳票データを保存しておけば、サーバのデータがない場合にも帳票の再生ができます。
• 対応入力機器
MSRpro-Reportは、サーバのデータを使用して帳票を作成するため、サーバが対応しているすべての入力機器が使用できます。
• データ区切り
帳票データの先頭区切りを、時、日、月、年単位で設定できます。
区切り時刻を始業時刻(たとえば8:00)に設定することで、始業時刻からの日報を作成できます。また、区切り日を20日に設定することで、20日締めの月報を作成できます。
• データの編集
帳票を作成後、編集画面でデータの編集を行うことができます。
帳票データに対して編集を行うため、大切なサーバのデータを変更することなく編集できます。
• 帳票フォーマット
図2に印刷フォーマット例を示します。帳票は既定のフォーマットで印刷するため、細かい設定は必要ありません。
図2に示すように、ページ毎もしくは1ページ目だけに印鑑欄を設けることもできます。したがって、そのまま提出用のレポートとしてもご利用いただけます。
図3はCSVファイル形式で出力した例です。オリジナルフォーマットの帳票を作成する場合でも、CSVファイル形式で出力できるため、応用が容易です。
異常値は部分欠損、全欠損、オーバーフロー、修正値を識別し、それぞれ表示色を設定して表示できます。
4.帳票設定および作成方法
帳票作成に必要な設定は、帳票専用のビルダーソフトウェアで行います。
ビルダーの設定画面を図4に示します。MSRproに設定している各ペンを帳票ページに割り当てます。設定内容はMSRpro-Report毎に保持しますから、クライアントPC毎に違う設定を使って帳票を作成できます。
帳票を作成する際は、手動の場合、指定日時と作成する帳票の種類を選択し、該当データの帳票を作成します。自動の場合、日報は毎日指定時刻に、月報は区切り日後に、年報は区切り月後にそれぞれ自動的にデータを収集し帳票を作成します。
5.構 成 例
工場や施設などで1時間毎、1日毎の電力量を帳票に出力する場合の機器構成例を図5に示します。R3シリーズ の積算パルス入力カード(形式:R3-PA16)でデータを取り込み、サーバで入力データを収録します。帳票用ビルダーで差分積算を設定すると、日報では積算パルスの1時間毎の差分を算出します。月報の各日欄には各日報の合計値を表示し、合計欄には1か月の集計が表示されます。同様に、年報には1年の集計を表示します。
クランプ式交流電流センサ用 交流電流入力カード(形式:R3-CT4A)を使用することで、使用電流の集計も表示できます。
帳票で一覧表示することにより、使用電力や使用時間の把握にご利用いただけます。
リアルタイムデータを見たい場合は、MSRpro-Client(クライアントソフトウェア)で波形表示や瞬時値表示を行います。
お わ り に
今回ご紹介した帳票作成ソフトウェア「MSRpro-Report」は、MSRproのCD-Rに追加されます。これにより、MSRproをご購入いただくと、データ収録、表示、帳票までの機能をご使用いただけるようになります。
(本稿にてご説明した仕様は、今後一部変更になる場合があります。ご購入時には、最新の仕様書にてご確認ください)
注)「MSRpro」については、エムエスツデー2005年3月号と4月号 および2006年1月号でもご紹介しています。