エムエスツデー 2012年10月号

Products Review
96mm角 温度調節計 TC10E
96角、表示部7セグメントの温度調節計です
エム・システム技研では、2011年に「温度調節計カード R3-TC2」を新製品としてリリースしました。「R3-TC2」の開発コンセプトは、温度調節計は盤内に設置、制御ループの情報は、通信回線経由で上位システム(タッチパネル、PCなど)で監視・操作させるという形の位置付けでした。しかし、ユーザー各位には、温度調節計は個別で盤面にて操作・監視できる方が使い勝手がよいというご意見が多かったことにお応えして、新たに開発した製品が、「温度調節計 TC10E」です。
「TC10E」の前面パネルサイズには、96mm角を採用しました。数値表示部は、7セグメント表示です。PV表示は大きくして、視認性を高くしています。また、前面パネル部は、防塵、防水に対応するIP65構造を採用しています。
本体への設定操作は前面パネルの操作ボタンから行うことが可能です。あわせて設定ツールもご用意しています。設定ツールは専用のケーブルによって本体と接続する形になります。この設定ツールを使用することで、複数の同じ設定が必要な本体に対しての設定作業も簡素化することが可能です。
上位システム(パソコンなど)での監視・操作用として、Modbus/RTUを標準装備しているため、将来的な増設、改造などにも容易に対応することが可能です。
前面パネル
ブロック図
TC10Eの主な特長
1台で2ループまでの温度制御が可能です
「温度調節計 TC10E」は以下のような特長を備えています。
① 1台で2つのPID制御ループを構成できます。
② ユニバーサル入力を2点標準装備しているため、熱電対、測温抵抗体入力の温度調節計としてだけではなく、電圧・電流信号、ポテンショメータ入力の調節計としてもお使いいただけます。
③ 制御出力として2点の電流/電圧信号(もしくは電圧パルス信号)および2点のオンオフ信号を標準装備しています。
④ 温度の加熱・冷却制御が可能です。
⑤ オートチューニング機能を備えているため、PIDパラメータの自動設定ができます。
⑥ PIDパラメータおよび設定値(SP)の組合せを各ループ毎にあらかじめ4組まで登録し、切り換えて使用できる「バンク切換え機能 *2 」が付いています。
⑦ 別売りのクランプ式交流電流センサをご使用いただけば、ヒータ断線検出と過電流検出ができます。
*2 バンク設定内容:SP値/PID定数/デッドバンド/PV 警報上下限値、その他
アプリケーション例
2ループ分のON/OFF制御と加熱器の断線検出
加熱冷却PID制御
外形寸法図
主な仕様
機器仕様 | |
制御ループ | 2ループ |
アイソレーション | ユニバーサル入力1(Pv1) − ユニバーサル 入力2(Pv2) − CT入力1・2(クランプ式交 流電流センサ) − イベント入力1・2(Di1・ Di2) − 制御出力1・2(Mv1・Mv2) − 制御 出力3・4(Do1・Do2) − 通信 − 電源間 |
PV値表示 | 5桁7セグLED |
SP値とMV値 | 5桁7セグLED、切り換えて表示 |
制御方式 | 標準PID制御 加熱冷却ON/OFF制御 加熱冷却PID制御 |
比例帯(P) | 0.1 ~ 999.9 (温度単位) |
積分時間(I) | 0.0 ~ 9999.9(秒) |
微分時間(D) | 0.0 ~ 9999.9(秒) |
オートチューニング | リミットサイクル法 |
警報機能 | 偏差上下限警報、絶対値上下限警報など |
サンプリング周期 | 100ミリ秒 |
制御周期 | 0.1 ~ 99.9秒 |
制御出力範囲 | −5 ~ +105% |
●Modbus通信仕様 | |
通信規格 | EIA RS-485準拠 |
伝送距離 | 500m以下 |
伝送ケーブル | シールド付より対線(CPEV-S 0.9φ) |
ノードアドレス設定 | ディップスイッチ |
データ | RTU(Binary)、ASCII |
パリティ | なし、偶数、奇数 |
伝送速度 | 4800、9600、19200、38400(bps) |
入力仕様 | |
●ユニバーサル入力1、2(Pv1、Pv2) | |
電 流 入 力 | 0 ~20mA DC |
電 圧 入 力 | −1000 ~ +1000mV DC −10 ~ +10V DC |
熱電対入力 | (PR)、K(CA)、E(CRC)、J(IC)、 T(CC)、 |
ポテンショメータ入力 | 0 ~ 4000Ω |
抵抗器入力 | 0 ~ 4000Ω |
測温抵抗体入力 (2、3線式) |
Pt 100(JIS’97、IEC)、Pt 500、Pt 1000、Pt 50Ω(JIS’81)、 JPt 100(JIS’89)、Ni 508.4Ω、Cu 10(25℃) |
●CT入力1、2 | |
クランプ式交流電流センサ | 5A、50A、100A、200A、400A、600A |
●イベント入力1、2(Di1、Di2) | |
接点入力容量 | 3.3V 1mA |
制御出力仕様 | |
制御出力 | (1種類をご注文時に指定) ・0~20mA DC(2点)+オープンコレクタ(2点) ・ 0~10V DC(2点)+オープンコレクタ(2点) ・12V電圧パルス(2点)+オープンコレクタ(2点) |
設置仕様 | |
使用温度範囲 | −10 ~ +55℃ |
使用湿度範囲 | 30 ~ 90% RH(結露しないこと) |
使用周囲雰囲気 | 腐食性ガス、ひどい塵埃のないこと |
取 付 | パネル埋め込み |
寸 法 | W96 × H96 × D108 mm |
関連機器 | |
・ クランプ式交流電流センサ(形式 : CLSE)*3 ・ コンフィギュレータ接続ケーブル(形式:COP-US) |
*3 ヒータ断線検出に使用します。