エムエスツデー 2010年4月号

Products Review
テレメータ D3シリーズ
無線テレメータ
ランニングコストが格段に安くなります。
多くのテレメータシステムは通信サービス会社所有の50bpsや1200bpsの専用回線を用いてデータ伝送を行っています。しかし、これらの通信回線は「回線使用料」が必要で、年間経費は相当な金額になります。さらに毎年毎年課金され、減ることはありません。
送信機として、電波法上の「特定小電力無線局」を使用するエム・システム技研の「特定小電力無線テレメータ」なら、回線使用料は不要であり、また「簡易無線局」を使用する「小エリア無線テレメータ」でもモデム一台あたり年間わずか400円の電波利用料納付は必要なものの、一度設置してしまえばランニングコストの心配はいりません。
なお、私設有線回線の場合は、子局が遠方でなくても、親・子局間に公道や川、鉄道などの障害物があると、新たに回線を敷くのに大変な手間とコストがかかります。このような場合にも無線テレメータが有効です。
豊富なインタフェースカードで自在なシステム設計
エム・システム技研の無線テレメータは、PCやPLCあるいは各種通信メディアなど外部システムとシームレスに結合できるインタフェースカードが豊富です。このため柔軟なシステム設計が可能であり、経済性、機能性に富んだシステムを実現できます。
システム構成例
(1)親 局
親局は、送受信したデータをモデムインタフェースカードで変換し、さらに上位通信カードでPCやPLCシステムで利用できるデータに変換して、監視・ロギングを可能にします。
PLC用には、各社PLC通信ネットワークに対応した上位通信カードをご用意しています。
PCによる監視・制御のために、エム・システム技研ではHMIパッケージソフトウェア「SCADALINXpro」をご用意しています。
(2)中継局
中継局は、受信した信号を波形整形(リピータ機能)して次の局へ発信するため、正確な双方向長距離伝送を実現します。
モデムインタフェースカードとして電源付(+10,000円)を選択すれば電源カードなしでも動作するため経済的です。
※1 無線モデムがWM51の場合は、中継局にモデムインタフェースカードは必要なく、 無線モデム WM51単体の設置となります。
(印刷版のMST(エムエスツデー)には、この注意書きの記述が抜けていました。訂正するとともにお詫び申しあげます。)
(3)子 局
子局は、入出力カードとモデムインタフェースカードとの組合せで構成されています。
テレメータD3シリーズは入出力カードの種類が豊富で、様々な信号を直接接続でき経済的です。
(4)中継局を設置して、無線区間を延長できます。
たとえば、山の向こうや谷の奥など、見通しが悪いロケーションでも、間に中継局を設置すれば無線でデータ通信が可能になります。もちろん1区間が3kmを超える場合や1区間が3km以下でも都市部など見通しの悪いロケーションの場合にも中継局が有効です。
(5)1対nの双方向通信が可能です。
親局と複数の子局間を1:nの双方向で通信します。親局と子局の距離は最大3kmまで、子局は最大15箇所まで増設できます。
『小エリア無線』 と 『特定小電力無線』 の違い
(1)『小エリア無線』とは
小エリア無線通信システムとは、電波法上の「簡易無線局」を利用するもので、新しいジャンルの無線通信システムです。
出力は1W以下、無線局の免許は必要ですが操作者に特別な資格は不要です。
免許の有効範囲については国内全地域が認められ、5年ごとの更新が必要になります(免許申請に1か月程度かかります)。
新規免許申請手数料 : 3,550円/台
電波利用料 : 400円/年・台
再免許の申請手数料 : 1,950円/台
(2)『特定小電力無線』とは
「特定小電力無線局」は、無線局の免許を受ける必要がなく、誰でも無線機を購入してすぐに運用することができる通信システムです。
手軽に運用できる無線システムである一方、その発射される電波の強さは低レベル(空中線電力は0.01W以下)であるため、通常、近距離の通信やテレメータに利用されます。特定小電力無線の運用には、電波法令や無線技術等に関する知識は不要であり、運用者に関する制限は全くありません。