2000年3月号 | ||||||||||
表示・設定機能付きAD・DA変換器
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(株)エム・システム技研 開発部 | ||||||||||
●入出力レンジを変更したい ●入出力コードを変更したい ●入出力値を確認したい ●スケーリングを変更したい ●精度を上げたい ●DAの応答速度を速くしたい エム・システム技研のAD・DA変換器は、ほかの一般の変換器と異なり、PLCやパソコン、専用機器との接続に始まり、各種の試験装置の構成機器として幅広くご利用いただいています。製品を設計した者が想像していなかった用途にご使用いただき、その結果 、多くのご要望が寄せられているのだと考えています。そこで、これらのご要望に少しでもお応えしたいとの動機から、新製品AD2V、DA2を開発しました。
AD2V、DA2では、前面に4桁のデータ表示、2桁のアイテム表示、また4個の操作キーを設けることにより、下記の機能を実現しています。 ●入出力レンジ切換 ●ゼロ、スパン調整 ●入出力コード切換 ●入出力値のデータ表示 ●スケーリング調整 ●入力の平均処理の切換 ●有効ビット数の切換 ●入出力論理の切換 これらの設定は、アイテムおよび設定値操作キーの操作によって容易に実行できます。 (2)入出力コード AD2V、DA2は、BCD、純2進、オフセット2進、2の補数、グレイ2進をサポートしています。これらのコードを選択するだけでなく、コードの論理を選択することも可能です。また、制御信号(AD2VではHOLD信号、DA2ではLOAD信号)の論理も選択することができます。 (3)入出力レンジ AD2Vでは、アナログ入力信号としてDC-1~+1V、DC-10~+10V、DC0~50mAの3種を準備しています。入力信号DC-10~+10V用AD2Vを用いるだけで、0.1V単位 で任意のゼロ点、スパンを設定することが可能です。また、ソケット端子に外付けの抵抗器(形式:REM)を取付けることにより電流入力にも対応できます。 DA2でも、同様にゼロ点、スパンを設定できます。また、高速応答タイプも準備していますから、いろいろな所で使用することが可能です。 (4)スケーリング機能 スケーリングの機能を持つことにより、パーセント値をBCDコードで処理するだけでなく、実量 に合わせて入出力することが可能です。センサの違いなどを補正し、共通の値を使ってPLCやパソコンで処理することが可能になるため、煩雑なシーケンスやプログラムを減らすことができます。また、センサに合わせて変換器を設定できるため、保守や点検も容易です。 (5)変換分解能 AD2V、DA2では、16ビットのAD変換、およびDA変換を行っています。このため、DC-10~+10Vの入出力仕様の製品をDC-1~+1Vに設定して使用しても、12ビット以上(1/4096以上)の分解能を得ることができます。したがって、自由にレンジを設定してご使用いただくことが可能です。 (6)高速応答 DA2では、応答速度として最高10msを実現しています。したがって、きめ細かなアナログ制御、たとえばインバータなどによるモータ制御における滑らかな速度制御が可能です。 (7)メリット 従来の機種と大きく異なる点は、入出力コード、入出力信号の論理、入出力レンジの設定およびスケーリングの設定を、パソコンや設定器を使用せず自由に行えることです。今までは、入出力信号の論理を変更する際、変換回路の準備とプログラムの変更が必要でしたが、新製品ではこれらを必要としません。また、入出力コード、入力レンジに対応して機種コードが異なる多数のユニットを準備する必要がなくなりました。 とくに威力を発揮すると考えられるのは、入出力のデータ(デジタル信号)の表示です。この結果 、据付け時の動作確認が可能になり、運転中の動作確認も容易に行えます。また、スケーリング機能により実量 表示出力が可能となり、表示器として用いることもできます。
表示設定機能を持つAD変換器(形式:AD2V)、DA変換器(形式:DA2)は、お客様から寄せられた多種多様なご要望に対応して生まれた製品です。なお、できる限りご要望を実現するよう努力しましたが、未だご要望に沿えていない点がいくつか残っています。今後とも、操作性や機能の向上に努めたいと考えています。
また現在、AD変換器については、入力信号は直流電圧、直流電流だけですが、今後、熱電対入力や測温抵抗体入力、ポテンショメータ入力なども取り扱える機種を増やしたいと考えています。 DA変換器においても、さらに多様な出力を実現できるように努力したいと考えています。 今後とも、エム・システム技研のAD・DA変換器をご愛用くださいますよう、よろしくお願い申しあげます。
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