2000年5月号 | ||||||||||||
お客様訪問記
兵庫県上月町の上水道遠方監視システム | ||||||||||||
(株)エム・システム技研 東京営業部 システム技術グループ | ||||||||||||
佐用郡上月町は兵庫県の西部に位置する人口約6千の町であり、西側は岡山県に接し、豊かな自然が残っていて、蛍の町としても有名です。また、町の北部には県立西はりま天文台公園があり、都会ではほとんど見ることができなくなった星空の観察に最適な環境を保っています。 この上月町の上水道遠方監視システムに、MsysNet製品が採用されました。今月は上月町水道事業所を訪ね、所長の杉本幸六様と主事の蔭山剛洋様にお話を伺いました。 [エム・システム技研、以下エムと略称]エム・システム技研の製品をどのような設備にご採用いただきましたか。 [杉本]上月町水道事業所が管理している主要な上水道設備は大手メーカーによるものです。エム・システム技研の製品としては、目高地区に新設した簡易水道設備を遠方監視するために、MsysNet製品であるテレメータ機器とパソコンによる監視装置(オペレータズユニット)を採用しました(図1)。 目高地区は山頂近くにある戸数11という小さな集落で、今まで独自の設備を使って給水していました。従来の浄水設備からポンプアップして給水することも検討しましたが、水質の問題などもあり、目高地区に新たに町の水道事業所が管理する簡易水道設備(浄水場)を設けて、給水することにしました。水源は以前から使っていたものが流用できました。しかし、わずか11戸に供給するだけの小さな設備であるため、従来の設備のように大手メーカーに一括して発注する方法では、コスト的にとても引き合いません。そこで今回は、できるだけ低コストでできるよう、自分たちで設計し、様々な試みを行いました。 たとえば、水位の測定には、差圧式ではなく多電極式水位計を使用しました。また、流量 の測定には、高価な電磁流量計でなく、電子式量水器を採用しました。遠方監視のためのテレメータやロガーなどの監視装置についても、コストを下げられる製品を探しました。 [エム] エム・システム技研の製品をご採用になったきっかけは何ですか。 [杉本]従来の設備にも、エム・システム技研の変換器や避雷器を使用していましたから、変換器や避雷器のハードウェアメーカーとして承知していました。また、毎月送られてくる『エムエスツデー』に掲載されていた製品紹介や事例紹介も大変参考になりました。テレメータについても、今回のような小規模の場合には、エム・システム技研の製品を採用することでコストが下げられると考え、採用を決めました。 [エム]パソコンによる監視画面はどうなさいましたか。 [蔭山]システムの設計は自分たちで行いましたが、機器の組込み、盤の組立て・設置などは従来の設備と同様、外部の業者にお願いしました。水道事業所に置く監視装置にはオペレータズユニットを採用したため、一度大阪のエム・システム技研本社へ出向いて監視 操作ソフト(形式:SFDN)による画面構築の方法を教わりました。 監視ソフトを使って自分たちで画面を構築するのは初めてでしたが、コンピュータ言語のような特別 な知識を必要とせず、容易にヒストリカルトレンドやグラフィック画面を作り上げることができました。 [エム]導入された結果はいかがでしたか。 [杉本]テレメータ、水位計、流量計など個々の機器については、だいぶ安くすることができました。しかし、ろ過池や配水池などの土木工事は劇的にコストを下げることができないため、設備全体の費用としては従来の方法に比べ3分の2程度になりました。できれば、全体で半分程度にしたかったのですが。 設備が安くできても、維持・管理にコストがかかるようでは意味がありません。この設備の運転を開始してから1年以上になりますが、まずまずねらい通 りになりました。 [エム]お話をお聞かせいただきありがとうございました。 ■ 本システムについての照会先: 上月町水道事業所 所長 杉本 幸六 様 主事 蔭山 剛洋 様 〒679-5641 兵庫県佐用郡上月町久崎517 TEL.0790-88-1107 FAX.0790-88-1108 *MsysNetは、エム・システム技研の登録商標です。
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