2000年5月号 | |||||||||||||||||
PCレコーダに新シリーズ登場
| |||||||||||||||||
(株)エム・システム技研 PCレコーダ開発チーム | |||||||||||||||||
エム・システム技研が、パソコンを利用したペーパーレスレコーダを発表してから2年が経ちました。その間、お客様のご要望にお応えし、パソコン側ソフトウェア(形式:MSRS32)のバージョンアップを重ね、PCレコーダとしての機能を充実して参りました。また現在、MSRS32の入力ユニットとしては、主として8チャンネルDC入力ユニット(形式:MSR-G3)やネットワーク計装部品であるMsysNetリモート入出力ユニット(形式:SML)をご利用いただいています。
しかし、多様化するPCレコーダのアプリケーションを考えたとき、すべてのお客様のご希望に対応することは難しく、とくに入力ユニットについては多くの改善要望をいただいていました。 そこでエム・システム技研では、それらのご要望にお応えするため、新シリーズのPCレコーダ(形式:R1M、図1参照)を発売することになりました。ここに、その概要と特徴をご紹介したいと思います。
[Q]熱電対を多点入力したいが、ちょうど良いものはないか? [A]はい、ございます。このほど新発売した製品、形式:R1M-GH2(16点)には、各種熱電対を直接入力いただけます。 [Q]ついでに測温抵抗体も入力したいが、そんな都合の良いものはあるかね? [A]はい、ございます。形式:R1M-J3(8点)をご利用ください。なお、測温抵抗体は8点単位 で増設いただけます。 [Q]実は、1点だけ流量計から4~20mAのDC信号を取り込みたいのだが、それには別 のユニットを買わないといけないのか? [A]別のユニットをご購入いただかなくても可能です。形式:R1M-GH2でしたら、入力チャンネル毎にDC信号と熱電対信号を切り替えられますから、直接入力してください。また、熱電対の種類や測定レンジもチャンネル毎に設定できます注1)。 [Q]外部接点で、レコーダの起動・停止を行いたいが? [A]はい、可能です。形式:R1M-GH2、R1M-J3には、外部トリガ入力を1点装備していますから、外部からの起動・停止が可能です。 [Q]パソコンレコーダソフトには各測定点毎に上下限警報表示があるが、これは外部に出力できないのか? [A]はい、可能です。オープンコレクタ32点出力ユニット(形式:R1M-D1)を増設いただければ、各測定点の上下限警報を取り出して、外部に知らせることができます。 [Q]ON/OFF信号は計測できるのか? [A]はい、可能です。接点32点入力ユニット(形式:R1M-A1)をお使いいただけば、接点32点を計測することができます。もちろんアナログ入力ユニットとの混在も可能です注2)。 [Q]パソコンとの接続は簡単なのか? [A]はい、簡単です。PC/AT互換機の場合、D-SUB9ピンストレートケーブルを使ってシリアルポートに接続します。 [Q]では、各ユニット間の接続方法は? [A]各ユニット間はツイストペアケーブルで接続します。また、ユニット間が遠く離れている場合でも、同ケーブルを延長いただければ、接続できます注3)。
●だれでも簡単に計測できること
数百ページに上る取扱説明書を読破しなければ、使いこなせない電子機器がたくさんあります。しかし本製品は、極力ドキュメントに頼らないでご使用いただけるように設計しました。 PCレコーダは、パソコン周辺機器に相当します。このため、ハードウェアの接続からソフトウェアのインストール、実際の動作に至るまで、すべてが簡単にできるように設計されています。製品に添付されている機器設定ソフトによって接続されているユニットを自動判別 し、必要なレンジ設定などが簡単に行えます。 ●フレキシブルな機器構成 当初不要であっても、計測点数が増えることがありますから、拡張性も含めてフレキシブルな設計を進めました。また、パソコンの高速化/メモリの大容量 化を見据えて、64/128点計測や高速サンプリングを実現する次期PCレコーダソフトを開発中です。 すでにR1Mは次期PCレコーダソフトに対応していますので、ソフトのバージョンアップだけで、より高性能な計測環境を手にしていただけます。 ●形 状 従来の入力ユニットでは、オーソドックスなプラグイン形状を採用していました。このため、計測パネル内などに固定設置する場合には適していますが、パソコンデスク上での使用には不向きでした。今回、PCレコーダのために新しいケースを設計しましたので、デスク上でお使いいただく場合にも、操作性はもとよりパソコンの周辺機器としてのデザインにもご満足いただけると思います。 また、固定設置の場合でも、DINレール取付、ネジによる壁面取付で設置面 積が小さく、連続取付してもロスが出ないようサイズを整えました。また、既存パネルへの追加工事の可能性も検討しました。その結果 、パネルドア裏側へ取り付けても干渉しにくいよう薄型にしました。
今や、パソコンがなくては仕事にならない時代となり、世代によってはペンよりもキーボード/マウスの方が自在に操れるようになってきました。PCレコーダは、ただ単にチャート式ペンレコーダを電子化しただけの製品に止まらず、パソコンが持つメモリや速度のフレキシビリティ、通
信機能、携帯性といった利点を生かした製品へと今後も進化を続けることと思います。
*MsysNetは、エム・システム技研の登録商標です。
|
| ||||||||||||||||