2000年12月号 | ||||||||||||
お客様訪問記
ゴミ焼却プラントの遠隔設備診断・メンテナンスシステム | ||||||||||||
(株)エム・システム技研 東京営業部 システム技術グループ | ||||||||||||
本誌1998年6月号でご紹介しましたように、栃木県鹿沼市にある鹿沼環境美化センターのゴミ焼却プラント用運転・監視システムにMsysNet製品が採用され、稼働しています。このゴミ焼却プラントの設備診断や操作画面のメンテナンスなどは、遠隔からも行うことができるようになっています。今月は、(株)鹿沼環境美化センター電装部長の澤渡
洵様と施設部長の大塚博之様に、“遠隔設備診断・メンテナンスシステム”についてお話を伺いました。 [エム・システム技研、以下エムと略称]遠隔地から設備の状態を監視したり、設備診断をなさっておられるとのことですが、どのようにされているのか教えてください。 [澤渡]千葉県佐倉市の自宅から電話回線(ISDN回線)を使用して、栃木県鹿沼市にあるゴミ焼却プラントの制御室に置かれているメンテナンス用のパソコンにアクセスし、設備の診断や監視画面のメンテナンスを行っています。 具体的には、図1に示す機器構成になっています。私の自宅には、遠隔監視用パソコン1台と、監視画面の変更などを行う開発・メンテナンス用パソコン2台を置いています。遠隔監視用パソコンは、鹿沼市にあるゴミ焼却プラントの監視室のメンテナンス用パソコンと、ターミナルアダプタを介してISDN回線で接続できるようになっています。また、連絡用のファックスや電話機も接続しています(図1、2)。 遠隔監視・操作には、市販されている“pcAnywhere(ピーシーエニウェア)”というパソコン用リモートコントロールソフトを使用しています。このソフトは、一般公衆電話回線などを使用して、遠隔地にあるパソコンの画面を、そっくりそのまま手元のパソコンのディスプレイ上に表示でき、さらにあたかも現場にいるかのように、遠隔地のパソコンを操作することもできます。 ゴミ焼却プラントの制御室には、監視・操作ソフトを搭載したエム・システム技研製のオペレータズユニット(形式:OPU)が6台あり、プラントの運転状況を監視しています。OPUとは別に、私の自宅から遠隔操作することができるパソコンがあります。このパソコンもオペレータズユニットと同じ制御用バス(M-Bus)に接続されていて、プラントの運転状態が把握できるようになっています(図1)。 [エム]このシステムの構築にあたって、とくに工夫されたところがありますか。 [澤渡]ゴミ焼却プラントは定期点検のときを除いて、毎日、運転しています。運転中に発生したトラブルをいち早く解決するためには、設備の運転状況をできるだけ早く診断し、問題箇所の切り分けを行わなければなりません。そのため、通常の運転に必要な信号だけでなく、プラントを構成するモジュールから設備診断に必要な様々な運転状態信号を制御用バス(M-Bus)に取り入れています。この信号をもとに、プラントの運転状態を表示する設備診断用の監視画面を作りました(図3)。この画面を見ることによって、プラントのどの部分でトラブルが発生しているか、判断することができます。私が自宅にいるときでも、この遠隔監視・操作システムを使って、適切なトラブル処理作業の指示を出すことができます。 また、自宅のパソコンからISDN回線でアクセスして遠隔操作を行うときは、前もって運転担当者に電話で連絡しますが、監視室のメンテナンス用パソコンの画面にも、遠隔操作の開始と終了を知らせる画面が出るようにしました(図4)。 [エム]システムを運用してみて、いかがですか。 [大塚]何らかのトラブルが発生したとき、その内容によっては、システム全体を把握している人に、対応を相談しなければならないようなことがあります。澤渡部長は、このプラントの設計段階からかかわって来られました。澤渡部長が自宅にいるときにでも、現場の状況を的確に把握してもらい、適切かつ迅速なトラブル処理ができ、大変助かっています。 [エム]お忙しいところ、ありがとうございました。 ■ 本システムについての照会先: 株式会社 鹿沼環境美化センター 電装部長 澤渡 洵 〒322-0017 栃木県鹿沼市下石川737-55 TEL.0289-76-1567 FAX.0289-76-1573 *MsysNetは、エム・システム技研の登録商標です。
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