2001年2号 | |||||||
Application Note ーこんな使い方がありますー | |||||||
電電ポジショナ(形式:MEX) | |||||||
今回は、電子式モータ制御ユニット、電電ポジショナ(形式:MEX)をご紹介します。なお、同じ機能をもつ製品を「バランシングリレー」と呼んでいる会社もあります。図1に、最も一般的なエム・システム技研製ポテンショメータフィードバック形電電ポジショナ(形式・MEX-B)の外観と仕様を、図2にそのブロック図を示します。 ところで、電子式「モータ制御ユニット」といっても、ポンプやファンを回す動力源のモータ自体を制御するものではなく、電動式のモータバルブやモータダンパを駆動するための駆動操作部を制御するユニットのことです。 制御系には必ず操作端が存在します。一般的には、空気式の駆動部(アクチュエータ)が使われますが、電動式の駆動部も多数採用されています。最近では、操作端の駆動にインバータなども利用されており、電動モータを正転または逆転にさせて、比例動作的にその位置を制御することを位置比例動作といいます。 電動のモータバルブをDC4~20mAの信号で比例動作させるには、そのモータの動作位置(開度)が今どこにあるかを知る必要があります。したがって、これらの制御用モータにはフィードバック信号の発生機構が通常内蔵されています。フィードバック信号としては、0~135Ωのようにポテンショメータの抵抗値の場合もあれば、DC4~20mAのような信号が直接出力されるものもあります。また、図3に示すように、外部に2線式ポジション発信器(形式:VOS2T)などを別途取り付ける場合もあります。 エム・システム技研の電電ポジショナは、電子式の機能を最大限に活かし、次のような特長をもっています。 ①モータ制御用のデバイスとして、電子式スイッチング素子であるソリッドステートリレー(SSR)を採用しています。 したがって、機械式接点の弱点であるアーク放電やチャタリングがありません。また、ソリッドステートリレーは、ゼロクロス回路(モータにかかる交流電圧がゼロ付近でONになる回路)により制御されていますから、スイッチングノイズが減少し、突入電流が抑制されます。このため、寿命が有限な電磁リレーなどと比べ、耐久性が飛躍的に向上しました。 ②再起動防止タイマを装備しています。 位置比例動作のモータは正転逆転を繰り返します。もし入力信号がハンチングするようなことがあると、モータは激しく正転逆転を繰り返し、機械部分の損傷やモータの過熱など故障の原因になります。このような故障を防止するため、正転から逆転、または逆転から正転に移るとき、ある時間モータを強制的に停止させます。しかし、この動作には制御性を損なう欠点があり、MEXではこの時間を1~30秒の間で前面のトリマを使って調整できるようにしています。そこで、電動モータの大きさや制御系の安定度を考慮し、現場調整で最適時間に設定します。 ③開度アンサバック信号を装備しています。 現在の開度を示すアンサバック信号(DC4~20mA)が出力され、計器室や現場での開度表示に利用できます。 エム・システム技研では、電電ポジショナとして、各種の必要機能に合わせて、機器組込み形やSSR外付け形、電流フィードバック形など、いろいろな機種を用意しています。 ■
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