2001年2月号 | |||||||||||||
分散形フィールド省配線
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黒田精工(株) ユニワイヤグループ
中 條 太 造 (株)エム・システム技研 開発部 | |||||||||||||
FA産業用フィールドバスとしては、PROFIBUS-DP、DeviceNet、CC-Link、INTERBUSなどが著名ですが、装置設計者の考え方によっては、ここに列挙したフィールドバスでは満足な結果が得られない場合があります。その場合、設計者は満足な結果を得るよう特化したフィールドバスを検討します。たとえばビルオートメーション用としてのLonWorks、サーボモータ用としてのSERCOS、PA用としてのPROFIBUS-PA、Foundation Fieldbus、Modbus、HARTなどがその例です。これらは特化したフィールドバスといえます。また、フィールドバスの下位層として、1点のセンサ、スイッチ、1点のランプ、電磁弁などをシリアル通信で結合する、センサバスとして分類されている省配線システムも存在します。この分類の中に、黒田精工(株)とNKE(株)が共同で開発したユニワイヤシステムが含まれます。
FA産業における制御はますます複雑化、高速化するとともに、高い自由度が要求されています。さらにセンサ、アクチュエータには、集積度を上げるため小形化が求められています。このような時代の要求に応えるため、センサターミナルとして入力点数1、2、4、8、16、32点、パワーターミナルとして出力点数1、2、4、8、16、32点の機種がシリーズ化され、出力電流では200mA~5Aまでのバリエーションを揃えました。また入出力混合の設定では、1(点)×1(点)、2×2、4×4、8×8の種類があります。温度、圧力、流量の変化に関するデータ収集も、省配線による制御の対象として増加しつつあります。このため、アナログコンバータについても、A/Dコンバータ、D/Aコンバータとしてともに最大8ch 12bit変換のユニットを揃えています。また、装置内の配線、フィールドでの配線を簡単にするため、耐ノイズ性能を高め、通常の4芯キャブタイヤケーブル(伝送2線、電源2線)ですべて配線できるよう配慮しています。この点が現在ではプラントにも採用される一つの要因になっています。ユニワイヤシステムのbit構成は図1に示すとおりであり、1bit 1点の割付を実現しています。伝送速度は29.4kbpsと決して速くはありませんが、伝送効率を高め、入出力遅れ時間として最大10.8msを実現しています。また耐ノイズ性能については、伝送信号波形を24V~12~0Vの方形波とし(図2参照)、1bitの時間幅を長く取ることによって、フィールドの誘導ノイズを受けても誤動作しないシステムを実現しました。 図2は、ユニワイヤシステムがノイズに強い理由を図で示し、説明したものです。 以上述べた様々な理由によって、ユニワイヤシステムは12年の使用実績をもち、とくにセンサバスの分野では50%のシェアを維持しており、分散形フィールド省配線システムとして高く評価されていると考えられます。
(1)豊富な入力信号 81・UNITシリーズには、直流信号、熱電対、測温抵抗体、ポテンショメータ、ディストリビュータ、交流信号、タコゼネレータ、CT、PTなど各種の信号に対応する11機種を用意し、広範囲の入力信号に対応できます。 製品形式と入力信号の関係については表1をご参照ください。 (2)ユニワイヤシステムの選択 仕様変更については、現場でも柔軟に対応できます。81・UNITシリーズでは、ユニワイヤシステムを設計する手順から「ユニワイヤシステムの仕様選択」のプロセスを削除し、省力化を果たしました。すなわち、ユニワイヤシステムでは、その機器を選定するときに、入出力点数や伝送距離を決定してから仕様選択を行う必要があります。しかし、81・UNITシリーズを使うことにより、ユニワイヤシステム特有の仕様を前面パネルに設けたスイッチで変更できるようにしました(表2参照)。 また、既設のユニワイヤシステムにも簡単に接続できるように、電源の供給方式としてローカル電源方式を採用しました。すなわち、81・UNITシリーズは伝送ケーブルの電源を使用しませんから、電源容量の再計算やそれに伴う伝送ケーブルの種類、太さ、長さ、また電源線としての許容電流を再検討する必要はなくなりました。
省配線システムとして優れているユニワイヤシステムのさらなる普及に、この81・UNITシリーズが大きく貢献できることを願っています。 ■ ユニワイヤシステムについての照会先: 黒田精工 株式会社 FA事業部 ユニワイヤグループ TEL:044-555-3803 FAX:044-556-0129 NKE 株式会社 ユニワイヤサポートダイヤル フリーダイヤル: 0120-77-2018 |
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