| ２００１年７月号 | ||||||||||||
お客様訪問記
津軽平川土地改良区の遠方監視・制御に採用されたMsysNetシステム | ||||||||||||
| （株）エム・システム技研 東京営業部 システム技術グループ | ||||||||||||
| 津軽平川土地改良区の事業区域は、青森県南西部、津軽平野のほぼ中央に位置しています。その受益地は、弘前市、五所川原市、平賀町、鶴田町など、2市5町1村にまたがり、5,700haにもおよんでいます。津軽平川土地改良区が管理・運用している用水設備や排水設備の監視・制御用にMsysNet製品が採用されています。 今月は、津軽平川土地改良区を訪ね、事業課 事業係 係長の大鰐 一人様と、システム構築と盤工事を担当された（株）東晴 取締役技術部長の室谷 博様にお話を伺いました。 ［エム・システム技研、以下エムと略称］今回ご採用いただいた遠方監視・制御システムの導入の経緯を教えてください。 ［大鰐］津軽平川土地改良区では、国営事業で建設された早瀬野ダム、また河川からの取水用設備として4箇所の頭首工、幹線用水路（8系統、47.2km）、幹線排水路（2系統、6.2km）、揚水機場1箇所、排水機場1箇所、そして附帯県営事業などで建設されたダム1箇所、頭首工3箇所（図1）、揚水機場1箇所、用水路（11路線、29.1km）、排水路（6路線、18.8km）を管理・運用しています。 既設設備としては、中央監視・制御装置がありますが、限られた人員で、より効率的に用水管理を行うために新たに監視・制御局を増設することにしました。 当初は、監視だけを考えていたため、画像伝送装置の導入を検討しました。しかし、その後ゲートの制御も行うことになったため、より少ない費用で遠方監視と制御ができる機器を探していました。 ちょうどそのころ、取引のあった（株）東晴の室谷様からMsysNetによる監視・制御システムを紹介され、検討した結果、導入することになりました。 ［エム］遠方監視・制御システムの機器構成はどのようになっていますか。 ［大鰐］今回のシステムは2回に分けて導入しました。最初は平成11年度で、土地改良区の事務所内に“オペレータズユニット”（形式：OPU）やディスプレイ、プリンタなどで構成した「中央監視・制御局」を、そして「新十川放水工局」、「3号余水吐局」、「3号余水吐下流局」の3箇所の子局を設置しました。 引き続いて平成12年度に、「平川第1局」、「平川第2右局」、「平川第2左局」、「引座川局」の4箇所の子局を追加し、それに合わせて「中央監視・制御局」の監視・操作画面を修正しました（図2）。 ［エム］監視・制御用の画面構築や、構成機器へのソフト設定など、システムのエンジニアリングは室谷様がなさったのですか。 ［室谷］そうです。エム・システム技研のシステム技術グループの方に設定方法を教えてもらって、自分がエンジニアリングを行いました。 今回のシステムでは、専用線を使った常時監視ではなく、一般公衆回線を使用した間欠監視・制御を行っています。ゲートの開度や水位を監視するとともに、調整ゲートや取水ゲートの開度を制御しています。 ゲート開度の制御中に回線が切れてしまうと、ゲートが全開になってしまったり、あるいは全閉になってしまう恐れがあります。そこで、ゲートを制御するとき、「中央監視・制御局」からはスタート指令（接点信号）だけを送り、子局側に置いたタイマでストップさせるようにしました。今回のシステムでは、比較的長い時間のタイマと、短い時間のタイマを設定し、中央局にあるパソコンのディスプレイ画面に2つのボタンを作って、使い分けられるようにしました。 ［エム］MsysNetによる遠方監視・制御システムを導入されて、いかがですか。 ［大鰐］津軽平川土地改良区の受益地は平川沿岸域と岩木川中央右岸域とに二分されています。さらに南北に細長くなって、管理事務所から一番遠いところは、自動車で行っても1時間以上かかります。このため、以前は用水の調整に2、3人で1日かかることもありました。それが、とくに問題ない限り、管理事務所から直接調整できるようになり、用水調整の迅速かつ適正化が図られるようになりました。今回のシステムは、設備費が既設システムに比べはるかに少なくてすみ、非常にコストパフォーマンスの良いシステムです。 ［エム］お話をお聞かせいただき、ありがとうございました。 ■ 本システムについての照会先： 株式会社 東晴 取締役技術部長 室谷 博 〒030-0112 青森県青森市大字八ッ役字上林78-33 TEL．017-739-7088 FAX．017-739-3513 ＊MsysNetは、エム・システム技研の登録商標です。
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