2001年7月号 | |||||||||
MSデータロガー(2)
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(株)エム・システム技研 商品統括部 | |||||||||
(A)「CITECT 5」の位置づけ 「CITECT 5」はオーストラリアにあるシーアイテクノロジーズ社が開発したSCADA/HMIソフトウェアであり、すでに33,000ライセンス以上の納入実績を有する、世界的に定評のある製品です。エム・システム技研では、以下に例示するような小~大規模の高機能データロガー用アプリケーションを前提として、本製品を販売します。 ●リモートI/O製品やテレメータ製品を経由したプロセス変数の収集とデータベース化 ●各種GUI(グラフィック・ユーザー・インタフェース)画面によるプロセス変数の監視・操作 ●データベースを利用した帳票作成(日報、月報、年報) 販売する「CITECT 5」には、本体のソフトに加え、エム・システム技研が独自に開発した「プロジェクト支援パッケージソフトウェア」(仮形式:MSCPAC)が付属します。また設定作業がきわめて簡単な帳票作成用ソフトウェア「イージーレポート(開発元:(株)ハーモニー)」をオプションとして用意しています。お客様はこれらを利用してより簡単に「CITECT 5」によるデータロガー機能を構築していただけます。 (B)「CITECT 5」の特長 「CITECT 5」はSCADA/HMIソフトウェア業界の中でも最高ランクの品質とコストパフォーマンスを有する製品であり、多くの特長を備えています。「CITECT 5」本体がもつ、主な特長を以下に挙げます。 ①高速性 CPUの負荷が少ない設計で、しかも高速な画面応答と高速I/Oアクセスが可能です。画面リフレッシュ周期、データサンプリング周期は100ms以下の設定も可能です注1)。 ②高度なグラフィック描画 各種のグラフィックオブジェクト(部品)やジニー(オブジェクトの複合による機能部品)を標準装備し、高度なグラフィック描画を容易に実現できます。シンボルの移動、色の変化、大きさの変化など、これまでにない多彩な動画によるオペレータインタフェースを実現します。 ③冗長化機能 「CITECT 5」は、ネットワーク上のサーバもしくはクライアントとして、複数設置できます(後述するライセンスキーの種類に依存します)。これらの組合せにより、HMI機能やデータベース機能の2重化などの冗長化構成が可能であり、システムの信頼性を向上させることができます。 ④I/Oデバイスドライバ標準装備 各種の通信プロトコルに対応するI/Oデバイスドライバ(130種類以上)を標準装備します。MSデータロガーでは、ModbusRTU(RS-485)、およびModbusTCP/IP(Ethernet)を使用します。 ⑤優れたエンジニアリング環境 開発機能にはライセンスキーを必要とせず、何台のパソコンにインストールしてご使用いただいてもかまいません。また、パソコンのメモリ上の仮想I/Oを使用することによって、実際のI/O機器を接続しない状態でもデバッグ作業が可能です。 ⑥多言語対応 日本語、英語、ドイツ語、フランス語の中から任意の言語を選択してシステムを開発できます。運転時には言語を切り替えてオペレーションに使用できます注2)。したがって、輸出向けのJOBにも対応できます。 (C)「CITECT 5」プロジェクト支援パッケージ 「CITECT 5」では、ユーザーによるアプリケーション内容はすべて「プロジェクト」という単位で管理・実行されます。すなわち、「CITECT 5」のエンジニアリング、およびソフトウェア構築とは、「プロジェクト」を作り込むことを意味し、でき上がったプロジェクトを実行することによって、はじめてSCADA/HMIとしての機能が実現します。 エム・システム技研では、MSデータロガーとしての「CITECT 5」のプロジェクト作成を容易にするために、プロジェクト支援パッケージ(仮形式:MSCPAC)を開発しました。プロジェクト支援パッケージには以下の内容が含まれます。 ①MSデモプロジェクト 仮想I/Oを使用し、パソコンだけで動作させられるデモンストレーション用のプロジェクトです。CITECTの動作を理解するため、また実際のプロジェクトを作成するに当たっての参考に用います。 本プロジェクトに含まれる操作・監視用各種GUIのサンプル画面、およびイージーレポート用画面を、それぞれ図1~5および図6に示します。 ②R1Mサンプルプロジェクト I/O機器として、リモートI/O(形式:R1M)を4台接続し、64点のアナログ信号を収集する小規模なMSデータロガーとしてのプロジェクトが、完成された姿でパッケージングされています(サンプルプロジェクトのシステム構成を図7に示します)。本プロジェクトには前述の図5(ユーザー・グラフィック画面)を除く、図1~4、図6と同等の画面がすべて含まれ、各画面への変数(Tag)登録やイージーレポートによる帳票作成機能に対する設定もすべて完了しています。R1Mのアドレスや測定レンジ、「CITECT 5」側のI/Oデバイスドライバも設定済みであり、R1Mをパソコンに接続して「CITECT 5」を起動すれば、ただちにプロジェクトを実行することができます。また、本プロジェクトを元にして追加、手直しすることによって、新たなユーザープロジェクトを作成できます。 ③MSプロジェクト プロジェクトとしての基本的な動作環境や、基本画面のフレーム(テンプレートといいます)が登録済みです。構築するシステムに応じて、実際の変数(Tag)登録や各画面への変数割付、イージーレポートの設定などを添付のマニュアルに従った手順で行い、ユーザープロジェクトを完成させます。 なお、本プロジェクト、および前述の①、②のプロジェクトにはエム・システム技研が独自に作成したフェースプレート(指示計、設定器、積算計、押ボタンスイッチ、ランプなど、各種のパネル計器を模した機能部品=ジニー)のライブラリが付属しています。図8にフェースプレートの例(2点指示計)を示します。 ④「MSコンフィグレータ」(2001年秋、発売予定) MSデータロガーのI/Oインターフェースに関する設定を一括して行うエンジニアリング用ツールです。「MSコンフィグレータ」側から、MSデータロガーに接続される機器(当面はR1M)のノード、機種、各チャンネルの測定レンジを設定すれば、その情報を自動的にCITECT側のI/Oデバイスドライバ、ならびに変数タグのデータベースに反映させることが可能です。すなわち、わずらわしいI/Oインタフェースに関する設定作業を大幅に削減できます。 (D)主な仕様 MSデータロガー用「CITECT 5」の主な仕様を以下に示します。 ●製品構成 ①「CITECT 5」本体ソフトウェア(CD-ROM、取説一式) ②ライセンスキー a)フルライセンスキー(必須) 75/150/500/1500/5000 Tagのいずれかを指定 b)操作・表示クライアントキー(オプション) 1500/5000 Tagのいずれかを指定 c)表示クライアントキー(オプション) 150/500/1500/5000 Tagのいずれかを指定 ③プロジェクト支援パッケージ(本体に付属) (仮形式:MSCPAC、CD-ROM、取説一式) ④イージーレポート(オプション) (仮形式:ZOZ*CE・REP、CD-ROM、取説一式) ●「CITECT5」本体機能 ①グラフィックス 画面数:無制限 画素解像度:最大4096×4096 ページ当たりオブジェクト数:最大32000 ページアップデート:最短10ms ②アラーム処理 対象:デジタル、アナログ変数 アラーム数:無制限 ③トレンド処理 サンプリング周期:最短10ms~24時間 登録点数、サンプル数:無制限 ④高級言語 固有のプログラミング言語 「CICODE」により、任意のプログラミングが可能 ●イージーレポート機能 ①帳票種類:日報、月報、年報 ②データ項目数:最大1000 ③フォーマット数:最大100 ④データ収集周期:1時間 ⑤収集データ種別:瞬時、最大、最小、平均、合計 ⑥集計データ種類:最大、最小、平均、合計、累計(月報、年報) ●動作環境 ①OS:WindowsNT4.0 ②推奨ハードウェア:DOS/V機、PentiumⅢクラス(700MHz)以上、メモリ128MB以上、空きHDD容量100MB以上 E-mail:murakami@m-system.co.jp ■ 注1)接続されるI/O機器の種類や台数によって応答時間が異なります。実際にはシステムに応じた最適値を設定します。 注2)フォントの関係から一部制約が生じることがあります。CITECT本体に付属するドキュメントは日本語、もしくは英語です。プロジェクト支援パッケージは当面日本語対応となります。 *MSデータロガーは商標登録出願中、MsysNet、テレロガーはエム・システム技研の登録商標です。 |
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