2001年7月号 | ||||||||||||
PCレコーダの計測・計装分野への応用
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轟産業(株) 商品開発センター
ソフト開発GR 係長 高 橋 静 雄 | ||||||||||||
このPCレコーダの計測・計装分野への応用についてご紹介します。
PCレコーダには、標準添付されている「PCレコーダソフト(エム・システム技研 形式:MSR32、MSR16H)」があります。しかし、少数の温度点数またはペンレコーダイメージでは満足されないユーザー向けに、轟産業ではロガーイメージのソフトを別途開発しました。 従来ペンレコーダなどを使って温度データを記録していたシステムを、PCレコーダを用いて簡単に構築することができます。 なお、温度センサなどのロガー計測したいデータの数が数十点を超える場合がしばしばあり、そのときPCレコーダ以外の機器による構成を考えると、非常に高コストになってしまいます。 PCレコーダを使って構成した場合には、温度センサを直接接続でき、機器構成上部品点数が非常に少なく、安価になります(図1)。 今回、轟産業が開発したソフトウェア「EasyRecorder」を以下にご紹介します。ペンレコーダイメージとは違い、ロガーイメージを採用しています。 [一般仕様] 最大管理点数:128点 最短収集周期:500ms/64点 最大収集時間:HDDの容量に依存 OS:WindowsNT4.0対応 [一般機能] チャートグラフ表示 データ値表示 警報履歴管理 保存データ管理 帳票印刷 ファイル変換 ●チャートグラフ表示(図2) チャートグラフは、ロガーイメージでの表示です。表示単位は、グループ単位で1グループ8点のデータを表示します。また、スケールの変更も可能です。 ●データ表示 記録ファイルに保存されているデータを数値実量表示し、変化を数値的に把握できます。 ●警報履歴管理 各データの警報設定(L、LL、H、HH)に基づく警報履歴を保存しているため、その内容を表示できます。また、瞬時の警報表示は、チャートグラフ表示画面の上部に表示します。 ●保存データ管理 記録保存済みデータについて、内容をグラフ表示・データ表示します。 保存できるデータ数は、HDDの容量に依存します。 ●帳票印刷 記録保存済みデータについて、内容を管理表として印刷します。 ●ファイル変換 記録保存済みデータについて、CSV形式ファイルに変換保存できるため、他のアプリケーションでの利用も可能です。
従来、計装システムにおける信号入出力装置としてはPLCが一般的でした。アナログ信号を入力しようとした場合にはコスト高になってしまいます。これに対し、アナログ信号の入力装置としてPCレコーダを用いれば、低価格な計装システムが構築できます。 PCレコーダの通信インタフェースには、Modbusを使用しています。このプロトコルを利用し、FIXで通信し、データを取得できます(View画面(図3)、ヒストリカルトレンド画面(図4))。 接続数は、1系統最大15台です。最大8系統まで接続できます。なお、RS-232-Cシリアルインタフェースを使用するため通信ケーブルは長くできません。しかし、「通信レベル変換器(エム・システム技研 形式:LK1)」を用いれば、長距離(最大総延長500m)の通信が可能です。 [PCレコーダの利点] ● アナログセンサ信号を直接接続できる。 ● 従来より低価格で構成できる。 ● 制御盤収納が非常にコンパクトになる。 PCレコーダ構成を用いれば、既設設備(PLC使用)の計装システムを安価に再構築できます(図5)。
本システムについての照会先: 轟産業 株式会社 商品開発センタ- ソフト開発GR 係長 高橋 静雄 〒919-0749 福井県坂井郡金津町北9字157 TEL. 0776-74-1146 FAX. 0776-74-1019 E-mail:tdr-dev@mbf.sphere.ne.jp |
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