2001年8月号

リモートI/O R5シリーズ(1)

(株)エム・システム技研 商品統括部
 
は じ め に
 エム・システム技研は、近日中に新しいリモートI/O製品「R5シリーズ」を発売します。R5シリーズは、ネットワーク通信機能付きの変換器ユニットであり、DeviceNetをはじめとする各種オープンフィールドネットワーク対応のI/O装置として、様々な用途に幅広くご使用いただけます。本製品は、斬新なデザイン注)と、これまでの製品にない多くの機能上の特長を備え、エム・システム技研における次世代リモートI/O製品の基幹を担う製品として開発したものです。本誌では、本8月号および来月号の2回に分け、R5シリーズの特長、製品概要、仕様などについてご紹介します。

1.R5シリーズの特長
 (A)外形・構造
 ●ビルディング・モジュール方式
 ユニットは、モジュール化された電源部、通信部およびI/O部を、ベースのスロットに差し込んで組み立てる構造になっています(図1参照)。後述しますが、これらのモジュールの組合せには自由度があり、様々な要求仕様に対応できます。また、モジュールはワンタッチで取付け、取外しが可能な構造であり、メンテナンス性に優れています(図2参照)。
 ●省スペース・簡単設置
 高さ約100mm×幅約225mm(I/Oモジュール8スロット用ベースの場合)×奥行約100mmと極めてコンパクトなサイズです。なお、ベースは、設置が簡単なDINレール取付方式です(ネジ固定式による壁取付も可能です)。また、各入出力モジュールの配線端子(DIN端子)には、本体に対して傾斜角をもたせ、配線の作業性、視認性を高めるとともに、つなぎ込み配線周りのスペース効率の向上を図っています(図1参照)。
 (B)I/Oインタフェース
 ●I/O組合せ自由自在
 アナログ入力/出力、およびデジタル入力/出力用の各種I/Oモジュールをラインアップしています。そして、これらをベースの任意のスロットに実装できます。したがって、必要な種類の入出力信号を必要な点数だけ組み合わせた(混在させた)I/Oユニットを構成できます。
 ●信号変換機能
 アナログ入出力モジュールは、高精度な信号変換機能およびアイソレーション機能(入、出力間絶縁/チャンネル間絶縁)を内蔵しています。また、入力温度センサの種類、あるいは入力電圧と出力電圧のレンジは、個々のI/Oモジュールの側面に取り付けられているディップスイッチによって設定変更が可能です(図3参照)。
 (C)ネットワーク通信
 ●オープンフィールドネットワーク対応
 通信モジュールは、通信ネットワークを経由してマスタユニット(PLC、DCS、PCなど)との間で、I/Oモジュールのデータを送受信します。
 ネットワークの種類別に通信モジュールのモデルを用意し、モジュールを交換することにより、各種のオープンフィールドネットワークに対応します(当初は、DeviceNet対応モデルのみ発売します)。
 ●高分解能デジタルデータ
 アナログ信号は、最大16bitの分解能(正、負符号含む)をもって送受信されます。たとえば、DeviceNet通信における温度入力モジュールの標準仕様では、温度の実量値(℃)を、10倍した符号付バイナリデータとして送受信します(例:25.5℃→255)。
 なお必要に応じ、通信モジュール側のソフトウェア設定により、送受信データのスケーリングやゼロ、スパンの設定も可能です。
 (D)高信頼化
 ●2重化通信(オプション)
 通信モジュールについては、2重化による冗長化構成が可能です(ベースには通信モジュール用のスロットが2つあり、ここに2台の通信モジュールを差し込むことにより2重化構成になります)。2重化構成の場合は通信方式がダブルモードとなり、独立した2系統のネットワークとの通信により、データの信頼性を向上させることができます。
 ●診断機能
 通信データには、入出力信号データに加え、マスタとの通信の健全性を判断する情報や、入出力モジュールの自己診断情報が含まれ、信頼性やメンテナンス性の向上に寄与します。
 ●2重化電源(オプション)
 増設電源モジュールを追加することによって、2台の電源モジュールによるパラレル給電が可能です。増設電源モジュールは、本体のベースにワンタッチで接続可能な増設電源モジュール用ベースに実装します(図4参照)。
E-mail:murakami@m-system.co.jp ■

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