2001年9月号
お客様訪問記

北海道丸瀬布町の浄水場監視に採用されたMsysNetシステム

(株)エム・システム技研 東京営業部 システム技術グループ
 
 丸瀬布町は、オホーツク海に面する内陸部、北海道網走支庁管内のほぼ中央、旭川市から北東に約100km離れたところに位置しています。町の面積の約95%が山林で占められていて、木工業が盛んな町です。緑豊かな自然環境を生かした森林公園「いこいの森」には、アウトドアライフを楽しむ人たちが多数訪れています。
 丸瀬布町にある浄水場の遠方監視に、MsysNetシステムが採用されました。今月は丸瀬布町役場を訪ね、建設課 課長の渡辺 栄 様、水道係 係長の仲野最志 様、水道係の水本弘昭 様にお話を伺いました。
 [エム・システム技研、以下エムと略称]浄水場の遠方監視にMsysNetシステムをご採用になった経緯についてお聞かせください。
 [渡辺]最初から浄水場の遠方監視を考えていたわけではありませんでした。浄水場の配水流量については、以前から電磁流量計とペンレコーダを使って記録していました。そこに、新たに流量計を追加して着水流量とろ過流量を計測・記録することになりました。そして、この記録をどのように実現したら良いか検討していました。
 ちょうどそのころ、エム・システム技研からパソコンを使用した“PCレコーダ”(形式:MSR32)が発売されるということを、『エムエス ツデー』誌上で知りました。取引きしている販売店に問い合わせると、「エム・システム技研が実機を貸してくれる」ということなので、早速、借りて使ってみました。
 “PCレコーダ”は、従来のペンレコーダに比べ、はるかに細かい動きが記録でき、満足できるものでした。この“PCレコーダ”の画面を、浄水場から約1km離れた役場で見ることができないかと、販売店に相談してみました。すると、「エム・システム技研に、パソコンでできる遠方監視用ソフトがありますよ」と、“監視・操作ソフト”(形式:SFDN)を紹介されました。これが、導入のきっかけでした。
 小さな町ですから、水道設備の予算もわずかで、遠方監視装置に多額の費用をかけることはできません。エム・システム技研の方に来てもらい、製品の説明を受けました。それを聞いて、「これならいける」という感触を得、導入を決めました。
 [エム]機器構成はどのようになっていますか。
 [仲野]4つあるろ過池それぞれの水位信号に、着水流量、ろ過流量、配水流量、配水池水位を加えた8つのアナログ信号を“リモート入出力ユニット”SML-G3に、警報(接点)信号を同じくSML-E5に入力しています。また、現場の盤にある警報表示用のランプを動作させるため、SML-C8で接点信号を出力しています。
 積算表示用として電磁カウンタを用意していたのですが、あとからMsysNet製品にABDという“デジタル表示器”があるのを知り、1台追加しました。このほかに“ワンループコントローラ”(形式:ABH)が1台あります。現在、自動制御用としては使用していませんが、今後、薬品注入コントロール用などに使用する予定です(図1、4)。
 これらの機器をNestBusで接続し、“通信レベル変換器”(形式:LK1)を介して信号をパソコンに取り込んでいます。パソコンは自分達で手配し、エム・システム技研製の“監視 操作ソフト”(SFDN)をインストールして、画面を構築しました。
 浄水場と役場とは、約1kmほど離れています。ランニングコストを最小限にしたかったので、NTTの専用回線は引かず、無線LANを使ってみました。これは、パソコンショップで市販されているものです。無線LANの仕様では、距離的には無理かと思われましたが、地形も幸いし、問題なく通信できました。この無線LANによって、浄水場と役所内のLANとがつながっています(図2)。
 市販のリモート操作ソフト“PC AnyWhere”を使い、役場内のパソコンで浄水場にある監視・操作画面を見ています(図3)。“PC AnyWhere”の使用ライセンスを購入すれば、役場内の複数台のパソコンからアクセスできます。
 [エム]SMLなど、機器のソフト設定や監視画面の構築はどうされましたか。
 [水本]私たち3人で行いました。時間や費用の問題もあって、エム・システム技研に出張セミナーをお願いしました。そして、機器に対するソフト設定の仕方や、監視・操作ソフトの画面構築の仕方を教わりました。
 大手計装メーカーが提供している、本格的な監視装置の画面のような凝ったものではありませんが、自分たちとしては満足できる画面ができました。流量や水位のトレンドグラフを、役場内にある自分達の机の上でいつでも見ることができ、大変便利になりました。
 [エム]実際に運用してみてのご感想をお聞かせください。
 [渡辺]セキュリティの問題などはありますが、数万円で購入できる市販の無線LAN装置を使用したり、自分たちで監視画面を作るなどして、費用をかなり抑えることができ、満足しています。今では、パソコンショップで購入した安価なテレビカメラとソフトを使って、ネットミーティングもできるようしています。多少、遅いことを我慢すれば、浄水場で作業をしている人との間で、画像と音声によって連絡を取り合うことができます。
 [エム]お忙しいところ、お話をお聞かせいただき、ありがとうございました。       ■

本システムについての照会先:
 (株)エム・システム技研 東京営業部
 システム営業技術グループ 岡 五十
 TEL.045-451-6060 FAX.045-451-6180

MsysNetは、エム・システム技研の登録商標です。
戻 る   進 む

*. 本ウェブサイト上に掲載されている情報は、掲載した時点での情報です。記載内容はお断りなしに変更することがありますのでご了承ください。

*. 本ウェブサイト上の表示価格には消費税は含まれておりません。ご注文の際には消費税を別途頂戴いたします。

MG 株式会社エムジー

Copyright © 1992 MG Co., Ltd. All rights reserved.